研究課題/領域番号 |
20K20663
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
超高齢社会研究
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
平野 勝也 香川大学, 医学部, 教授 (80291516)
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研究分担者 |
橋本 剛 香川大学, 医学部, 助教 (80380153)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 血液凝固因子 / 受容体 / プロテイナーゼ活性化型受容体 / インスリン抵抗性 / 老化 / DNAマイクロアレイ解析 / インスリン分解酵素 / 凝固因子 / プロテイナーゼ活性化型受容体1 / 糖尿病 / 高齢者 / 血液凝固 |
研究開始時の研究の概要 |
トロンビン受容体PAR1を欠損するマウスの糖代謝を解析し、また、インスリン抵抗性に対するPAR1拮抗薬の改善効果を検証することで、加齢に伴うインスリン抵抗性における凝固系およびPAR1の役割を明らかにし、高齢者に特化したインスリン抵抗性改善策の開発に挑む。本研究は、代謝系と凝固系を癒合させる新しい学術領域を拓き、凝固系の視点から高齢者の健康と病態をとらえる新たな方向の加齢研究を開拓する挑戦的研究である。高齢者に特化したインスリン抵抗性改善策の開発により健康寿命の改善を図る基礎医学研究として超高齢社会研究に貢献する。
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研究成果の概要 |
血液凝固因子の受容体として働くPAR1の遺伝子を欠損するマウスにおいて、加齢に伴う肥満、インスリン抵抗性、脂肪肝の発症が抑制されていることを明らかにした。脂肪の多い食餌を与えて飼育すると、PAR1遺伝子を持つ正常のマウスと同じように体重が増加し、インスリン抵抗性を発症したことから、PAR1欠損により加齢現象が特異的に阻害されていることが示唆された。アンチエイジング戦略の開発においてPAR1は有望な標的となる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、PAR1遺伝子欠損マウスにおいて、肝臓、骨格筋、脂肪組織に共通してインスリン分解酵素の発現が高いことを見出した。加齢に伴い凝固活性が亢進すると、PAR1を介してインスリン分解酵素の発現が低下し、慢性的にインスリン濃度が高い状況が続くことで、インスリン抵抗性が発症する機序が示唆された。本研究成果は、未だ謎が多い高齢者の糖尿病に特異的な仕組みの解明につながる点で学術的意義が高く、高齢者の糖尿病に特異的な予防治療法の開発につながる点で社会的意義が高い。
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