研究課題/領域番号 |
20K20666
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
超高齢社会研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 周司 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10239600)
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研究分担者 |
神崎 晶 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 室長 (50286556)
岡本 康秀 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 客員講師 (10317224)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 聴覚 / 時間分解能 / 閾値測定 / 無音検出 / 振幅変調検出 / ZEST / 健聴 / 難聴 / 高齢者 / 検査 / Zest / Quest / QUEST |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、高齢者の聴覚時間分解能の検査法を作成し、分解能の低下を客観的に評価可能にすることである。そこで、聴覚時間分解能の測定法である無音検出と振幅変調検出に、ベイズ定理を用いたQUESTを導入し、測定を高速化する。コンピューターシミュレーションと健聴者及び高齢者の測定結果を基に、聴覚時間分解能の検査バッテリーを作成する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、高齢者の聴覚時間分解能の検査法を考案することである。時間分解能の指標としては無音検出閾値と振幅変調(AM)検出閾値を用いた。それらの閾値測定法にはベイズ閾値推定法の一種であるZEST(QUESTの改良版)を用い、コンピューターシミュレーションと、若年健聴者と高齢難聴者を対象とした測定を行った。その結果、ZESTは効率的で信頼性が高く、15試行未満で正確な閾値を測定可能であることが分かった。15試行の閾値測定には90秒程度しかかからず、約10分でAM検出閾値から時間変調伝達関数を求めることが可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ZESTを用いることで効率的かつ信頼性の高い閾値測定が可能であることを示した学術的意義は大きい。これまでZESTは主に視覚、例えばコントラスト感度や視野の測定で用いられてきたが、本研究は聴覚でもZESTが有効な測定法であることを示した。本研究では総計130名以上の参加者から無音検出閾値とAM検出閾値を測定しており、余り前例がない規模のデータセットを収集している。このデータをエビデンスとして、時間分解能の検査法を考案することは、高齢化社会の聞こえの問題の取り組みとしての社会的意義が大きい。
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