研究課題/領域番号 |
20K20671
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
超高齢社会研究
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤山 文乃 北海道大学, 医学研究院, 教授 (20244022)
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研究分担者 |
平井 康治 北海道大学, 医学研究院, 博士研究員 (30648431)
苅部 冬紀 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60312279)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 加齢 / ドーパミン / 大脳基底核 / 神経疾患 / パーキンソン病 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の意欲の低下の原因が、単なるドーパミン量の枯渇であれば、その補充を考えれば良い。しかし、加齢によって、神経回路自体が組み替えられてきている可能性、もしくは、加齢とともにドーパミンなどの神経伝達物質の量が徐々に減少することによって神経回路が補填的に組み替えられている可能性については、ほとんど研究されていない。本研究は、「ドーパミン量」をモニターしながら、「加齢」に伴う神経路の変容を、シナプスから行動レベルまで解剖学的および機能的に解析し、高齢者の神経路の実態に迫る、世界で初めての挑戦的な研究である。
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研究実績の概要 |
本研究では、加齢による神経路の解剖学的および電気生理学的変容を解明するために、加齢と神経伝達物質の影響とを切り分けつつ、大脳基底核神経路がどのように適応的に作り変えられているかを解明することを目的とした.ドーパミン神経細胞は生化学的・遺伝学的に複数のサブクラスに分類されるが、パーキンソン病あるいは加齢により変性するドーパミン神経細胞のサブクラスは同じものなのだろうか?パーキンソン病により優先的に変性脱落するサブクラスはcalbindin 陰性のドーパミン神経細胞であることがわかっているため、老齢マウスにおいてcalbindinとドーパミン合成過程の律速酵素であるチロシン水酸化酵素 (TH) の二重免疫染色を行ったところ、ドーパミン細胞の絶対数およびサブクラスの比率に加齢による変化がないことがわかった。また、THの免疫染色により、中脳黒質から線条体へのドーパミン投射量を観察したところ、線条体におけるTH量に関しても加齢に関する変化は認められなかった。このため、加齢自体はドーパミン減少の原因ではなく、パーキンソン病の罹患率が加齢によりあがるのは、別の原因であることが明らかになった。また私たちは、尾側線条体の腹側領域で、ドーパミン受容体サブタイプの発現割合が異なるPoor zoneが存在することを見出した。さらにPoor zoneでは直接路と間接路の二種類の投射細胞の分布様式が他の線条体領域と大きく異なることや、その出力先が尾側淡蒼球外節と黒質側方部に限局することを報告した。興味深いことに、この領域は若齢マウスでも高齢マウスでも、また霊長類であるマーモセットにも存在することを明らかにした(Ogata al. 2022)。現在はこの領域の機能的意義を調べるために電気生理学的解析を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題において、形態学的解析はほぼ順調に進捗している。しかし世界的な半導体の不足により、電気生理学的実験に必要な実験機器の導入が遅れ、電気生理学的検証の部分がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
加齢によってどの遺伝子タイプのドーパミン神経細胞が先に影響を受けるのかは北海道大学遺伝子病制御研究所の村上教授の指導の下でシングルセルRNAseq解析を進めている。また、2022年度に報告した(Ogata et al., 2022)ドーパミン投射の少ない線条体領域の機能的解析も教室内で進めている。
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