研究課題/領域番号 |
20K20711
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
高田 智和 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (90415612)
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研究分担者 |
守岡 知彦 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (40324701)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 漢字字体 / 異体字 / 文字情報交換 / 標準字体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「漢字字体規範史データセット」(http://www.hng-data.org/)に集積した漢字約40万字を基礎データとして、漢字字形の変種(異体字)に関して、文脈に遡った使用例の分析、中国・日本の歴代の漢字字書における規範との対比、各研究領域で作成された異体字表との照合を行い、時代差・地域差・分野差を集積した漢字字形情報の通覧基盤を構築し、これを通して漢字字形の理論的枠組みの深化、及び学術情報交換における字形処理の高度化・精緻化に寄与する。
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研究実績の概要 |
本研究は、「漢字字体規範史データセット」(http://www.hng-data.org/)に集積した漢字約40万字を基礎データとして、漢字字形の変種(異体字)に関して、文脈に遡った使用例の分析、和漢の歴代の漢字字書・辞典における文字規範との対比、各研究領域で作成された異体字表との照合を行い、時代差・地域差・分野差を集積した漢字字形情報を通覧する基盤構築を行い、これを通して漢字字形の理論的枠組みの深化、及び学術情報交換における字形処理の高度化・精緻化に寄与することを目的とする。 2022年度は以下の活動を行った。(1)「漢字字体規範史データセット」の原カードを調査し、原カードの保存方法を検討した。(2)漢字情報処理のために以前に作成した「異体漢字対応テーブル」を精査し、「単漢字異体字データ対応テーブル」として人間文化研究機構の機構本部内蓄積データに提供・公開した。(3)「略字・俗字」を中心とする異体字に関してWeb調査により使用意識調査(1都3県、男女12世代、計600名)を実施した。(4)人間文化研究機構広領域連携型基幹研究「異分野融合による総合書物学の拡張的研究」、科研費基盤研究 (A)「平安時代漢字字書総合データベースの機能高度化と類聚名義抄注釈の作成」(19H00526)、一般財団法人人文情報学研究所との共催により、2023年1月に研究集会 「古辞書データ共有と拡張」を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況は以下の通りであり、おおむね順調に進展していると判断した。 (1)奈良文化財研究所が中心となって開発した「史的文字データベース連携検索システム」(https://mojiportal.nabunken.go.jp/)に、「漢字字体規範史データセット」が参加した。これにより、「漢字字体規範史データセット」が収録する典籍の漢字字体と、木簡、古文書、日本近世印刷本の漢字字体とを比較検討する基盤が整った。(2)「漢字字体規範史データセット」の原カードを調査し、原カードそのものの保存方法を検討した。 (3)「異体漢字対応テーブル」を人間文化研究機構の統合検索システム(nihuBridge)の異体字同値検索に提供し、「異体漢字対応テーブル」を「単漢字異体字データ対応テーブル」として人間文化研究機構の機構本部内蓄積データで公開した。(4)日本中世印刷経と宋版印刷経について漢字字体を検討するためのデータセットの整備を行った。(5)異体字に関する意識調査(Web調査)を実施した。(6)日本語学、文献学、歴史学、考古学、仏教学、情報学など多分野の研究者が参加するシンポジウム「字体資料共有の現在と未来」(2020年3月)、研究集会 「古辞書データ共有と拡張」(2022年1月)を開催し、学術情報交換における字形処理の高度化・精緻化に関する議論を行った。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症による研究活動停滞のため、研究期間の延長を申請した。今後は、漢字字体の時代差・地域差・分野差を検討するためのデータセット作成を継続するとともに、漢字字書・辞典における文字規範の抽出を行い、研究目的の達成を目指す。
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