研究課題/領域番号 |
20K20714
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
上原 浩一 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (20221799)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | イチョウ / 巨木 / RAD-seq / 伝搬 / 系統解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大量の遺伝子情報が得られる次世代型DNAシークエンサーを用いて、日本国内に約200本現存するイチョウの歴史的巨木と中国、韓国産のサンプルを網羅的に解析し、巨木1本1本にわたる詳細な系統関係の完全解明を目指す。国内のイチョウ巨木の系統関係が詳細にわかれば、各地に植栽されたイチョウがどのような経路で広められていったか、その伝搬の道筋がわかる。当時の仏教や文化、人々の動きに密接に関わるイチョウの初期国内伝搬プロセスを明らかにする。中国から日本へ、そして国内各地へ広まったイチョウの伝搬の道筋、中国から日本のどこに入り、どのような経路で全国に伝わっていったかを明らかすることができる。
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研究成果の概要 |
イチョウ(Ginkgo biloba)はかつて世界中に分布していたがその後衰退し、日本国内では更新世を最後に途絶えた。その後中国南西部で生き延びたイチョウは平安時代以降に日本の全国各地に文化と共に広まったとされているが明確な伝播過程は明らかになっていない。イチョウはこのような生物学的、文化的背景から国内への伝来や伝播経路の研究が行われてきた。本研究では次世代型DNAシークエンサーを用いた最新のRAD-seq解析により日本に分布している幹周8m以上のイチョウ巨木の網羅的遺伝解析を行った。総数269サンプルを用いて解析を行い、個体ごとの詳細な伝播経路を含むイチョウの伝播過程の検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イチョウは最も原始的な性質を残した「生きた化石」のひとつで、人々に親しまれる植物である。現存するイチョウは中国原産で、平安時代ごろに日本に伝搬したと考えられ、人の手で日本中に広まった。日本は、早くに伝搬したことから、世界に広まったイチョウの伝搬を考える上で重要な位置にあり、また国内に多くの「巨木」が現存していることから、国内への伝搬を探ることも可能で、当時の人々の仏教とも絡んだ移動を考察する上でも重要である。本研究は国内のイチョウ巨木を網羅的にサンプリングし、その個体間の系統関係を明らかにするもので、最新の生物科学的技術や解析を用いて、歴史・文化史への貢献をめざすもので社会的意義も大きい。
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