研究課題/領域番号 |
20K20719
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 重人 京都大学, 医学研究科, 教授 (80432384)
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研究分担者 |
藤本 晃司 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (10580110)
東島 沙弥佳 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (10792830)
寺田 康彦 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (20400640)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 解剖学 / 発生学 / 博物館学 / 計測工学 / 放射線科学 / MRI / シーケンス / 有袋類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は、「国内外に多く“死蔵”されている動物の胚・新生仔液浸標本の資料的価値の再発掘」である。従来、これらの標本は収集すれども活用法の少ないいわば“死蔵標本”と化す傾向にあった。本研究で用いるオーストラリア・アデレード大学所蔵の有袋類(コアラ・ポッサム)新生仔標本もその一例で、2000年より収集開始されたものの利用者がおらず、200以上のサンプルが死蔵されていた。しかし、胚・新生仔標本は、生物の多様なかたちづくりに関する膨大な情報を小さな体に秘めており、博物学的に非常に貴重な資料である。そこで本研究では、そうした死蔵標本を再度活かす方法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
多くの博物館や大学の収蔵室では、未利用の動物胚・新生仔標本が存在している。標本を非破壊的に観察できるMRI撮像プロトコルを開発し、これを実践・公開することで上記標本の形態学的解析を行うことを目的とし研究を実施した。撮像プロトコルの最適化を実施した後、実験用4.7TMRIを用いて11標本、ヒト用7T MRIを用いて16標本の撮像を行った。得られた画像について3D可視化解析ソフトウェアAmiraを用いてセグメンテーションを行い、筋骨格系をはじめとする体内器官を立体構築した。その結果、有袋類新生仔における筋骨格の形態形成過程において、上肢と下肢において筋分化の程度が明確に異なることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの博物館や大学の収蔵室では、所在なく収蔵されたままの動物胚・新生仔標本が存在している。これらの標本は活用法の少ないいわば“死蔵標本”と化す傾向にあった。標本の資料的価値を利用し易い形で開示していくことが重要であるが、胚・新生仔標本についてはその手段が確立されていなかった。本研究により、MRIという世界中に比較的多く存在する機器を用いて、貴重な標本を非破壊的に画像化し、解析する手段が得られたことは大きな社会的意義であり、研究グループが所有する有袋類標本を試験的に撮像し画像解析をしたところ、有袋類新生仔における筋骨格の形態形成過程についての新たな知見が得られた点は学術的意義を有している。
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