研究課題/領域番号 |
20K20720
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 (2021-2023) 福井県立大学 (2020) |
研究代表者 |
松岡 由浩 神戸大学, 農学研究科, 教授 (80264688)
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研究分担者 |
丹野 研一 龍谷大学, 文学部, 准教授 (10419864)
佐久間 俊 鳥取大学, 農学部, 准教授 (40717352)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | タルホコムギ / 二粒系コムギ / ユーラシア / 農耕史 / ゲノム比較 / 西アジア / ムギ農耕 / ユーラシア農耕史 |
研究開始時の研究の概要 |
パンコムギは、西アジアで誕生し、ユーラシア大陸全体に広がり、主穀として各地で文明を支えた。しかし、その起原地は未だ不明であり、このことが初期コムギ農耕の全体像を理解する上で重大な障害となっている。本研究は、高精度な遺伝子比較解析と考古植物情報分析を軸とする「パンコムギが誕生した場所」に関する学際的研究を世界に先駆けて実施する。そして、考古学と遺伝学の知見を統合してパンコムギの起原地を推定する。
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研究成果の概要 |
本研究は、植物遺伝学と考古植物学が協働して、パンコムギの起原地を推定するための基盤を整備することを目的として実施した。主な研究成果は次のとおり:(1)分子マーカーを用いた調査により、タルホコムギに3つの種内系統群が存在することを確認した。(2)交雑実験により、いずれの種内系統群に属するタルホコムギであっても、二粒系コムギとの交雑により稔性のあるF1雑種を生み出す能力を有していることが明らかとなった。(3)ムギ農耕はメソポタミア植生帯の外縁で同時多発的に発生しており、少しでもイラノ=アナトリアン植生帯に入ると、旧石器時代から続くアーモンド属等の木の実利用になることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パンコムギは、二粒系コムギ(栽培種)が畑の周囲に雑草として生えていたタルホコムギ(野生種)と自然交雑して誕生した。しかし、パンコムギの正確な起原地は不明であり、このことが、初期コムギ農耕の全体像を理解する上で重大な障害となっている。本研究により、今後、トランスコーカサスおよびイラン北部のタルホコムギとパンコムギの遺伝的関係を解析し、かつ、この地域の遺跡出土植物情報の比較調査することでパンコムギの起原地を推定する学術的基盤を整備することができた。
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