研究課題/領域番号 |
20K20757
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐々木 勝 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10340647)
|
研究分担者 |
森 知晴 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (00733057)
山根 承子 大阪大学, 大学院経済学研究科, 招へい研究員 (40633798)
三浦 貴弘 大阪大学, 大学院経済学研究科, 招へい研究員 (60832342)
浅川 慎介 佐賀大学, 経済学部, 助教 (10962912)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 職場環境 / チーム生産性 / コミュニケーション / 人的資源管理 / 労働経済学 |
研究開始時の研究の概要 |
生産性・エンゲージメント指標の効果検証に使用されてきたウェアラブル・センサーを用いたこれまでの分析に加えて、我々の研究では機械学習を応用したテキストマイニング(dictionary method, topic modelling)を用いて、実際の会議での従業員間のコミュニケーションから収集される音声情報を定量情報に変換したうえで、分析に使用する。これによって、従業員同士のコミュニケーション量の変化に加えて、ウェアラブル・センサーだけでは測定することが難しい、ブレスト形式会議で求められるコミュニケーションの質の変化や広がり、そして意思決定までのスピードの速さが職場環境によって変化するのかを検証することができる。
|
研究実績の概要 |
従業員のワークエンゲージメントを引き上げるために、多くの企業が、従業員にとって快適で働きやすく、かつ生産的な職場環境の構築に力を注ぐようになった。労働経済学やモチベーション研究を含む人的資源論の分野では、既に「従業員間のコミュニケーションが活発になるほど、自社内での課題解決能力は上昇する」ことが確認されており、従業員同士の結びつきと生産性の間に因果関係が存在することは、概ね共通見解となっている。その一方で、どうすれば従業員間のコミュニケーションが活発になるのかという疑問については未だ明らかにされていない。本研究では職場環境の向上を模索する企業の協力のもと、「職場環境の改善によってコミュニケーションの量・質が向上するのか」をフィールド経済実験による アプローチから明らかにすることを目的とする。ここでいう職場環境として、ブレスト形式で行われる会議に使う会議室が開放的な環境にあるかどうかに注目する。 2022年度は、引き続き研究協力して頂く企業(コマニー株式会社)と打合せを繰り返しながら、実験デザインを考案し、コマニー株式会社本社と東京営業所の施設を利用して、本実験を実施した。実験では最寄りの大学生に参加してもらった。本実験データを分析し、現在、初稿が完成した。まずはこの秋に開催される予定の日本経済学会で研究成果を報告することが決まっている。国内・国際学会がコロナ前のように再会しつつあるなか、積極的に報告する機会を得ること考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年度は2021年度から研究連携を進める企業(コマニー株式会社)と繰り返し協議をし、実験デザインを考案・修正し、そして本実験を本社と東京営業所の2か所で行ったので、当初の計画以上に研究は進んだと判断する。新型コロナウイルス感染症拡大により2020年度の研究が停滞したことから、研究を始める前に想定してたスケジュールよりも遅れていたが、ほぼ予定通りに戻ったといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度に実施した実験の結果を踏まえて、今後は更に実験デザインをブラッシュ・アップする。検証するアウトカムに関しても、グループ・ディスカッションでの発言に着目するのではなく、脈拍などの医学的なアウトカムをベースにディスカッションを通じて湧きおこるポジティブ感情、ネガティブ感情の変化に着目していく。
|