研究課題/領域番号 |
20K20862
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 正晃 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (00716186)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ニューロモジュレーター |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは常日頃、将来の目標を高く設定し、現実との間に「期待外れ」が生まれても、それを「乗り越えよう」とする。社会的にも、諦めるよりは、乗り越えようとする方が賞賛され、その姿勢が強化される傾向にすらある。この心理が不足すると、社会的に成功できず、挫折を味わった後の抑うつや不登校などの問題につながる。本研究は、神経伝達を修飾する様々なニューロモジュレーターの役割に焦点を当て、これらが期待外れを乗り越える心理に果たす役割を探索する。
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研究成果の概要 |
ヒトは常日頃、現状よりも高い目標を設定する。思った通りにいかない「期待外れ」の場合にもそれを乗り越えようとすることで将来の成功に繋げる。この心理が不足すると社会的に成功できず、挫折を味わった後の抑うつなどの問題につながる。このように普遍的かつ重要な機能であるにも関わらず、「期待外れを乗り越える」心理を担う神経メカニズムの解明は進んでいない。本研究は、報酬の期待外れを乗り越える心理を制御する複数の神経活動調節物質の役割を探索し、報酬の期待外れが生じる瞬間にそれらの濃度が上昇する脳領域を見出した。また、その神経回路が期待外れを乗り越える心理に果たす因果的役割を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、心理学分野と神経科学分野の技術の融合を達成し、将来的に不確実な報酬に対する多面的な心理を担う多層的な神経機構の解明に発展させるための基礎となる成果を得た。本研究成果は、複数の神経伝達調節因子の異常が深く関わるうつ、依存症、統合失調症などの精神疾患症状の理解やそれらの心理的介入などの治療、不登校などの教育心理、社会的成功などの社会心理の神経機構の理解を変える潜在性がある。
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