研究課題/領域番号 |
20K20863
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野村 理朗 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (60399011)
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研究分担者 |
田中 美吏 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 准教授 (70548445)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 無心 / 東洋思想 / 芸道 / いき / 自己超越 / 畏敬 / 自然言語処理 / 粋 / 伝統 / 身体技法 / 曖昧性 / イップス / 先端技術 / 競技 / 武道 / スポーツ / 熟達化 |
研究開始時の研究の概要 |
古来より哲学,宗教学等の研究領域,武道芸道の実践者を惹きつけてやまない「無心」は多彩な可能性を秘める。その科学的課題は未検討である一方で,近年,心理学のマインドフルネス,スポーツ科学のゾーンなど「無心」に近しい概念の機能・構造が明らかになりつつある。そこで本研究は,認知科学や心理学,脳科学の概念,方法論により,「無心」の在り方を新たに読み解き,その科学的研究の端緒を開くことを目的とする。
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研究成果の概要 |
心理学,スポーツ科学,東洋思想の観点を包括する本研究プロジェクトにおいては、手始めに「無心」に内包される従来の心理学の概念にこれを置き換え,神経基盤を視野に入れつつ,東洋思想のコンテクストをふまえて,無心の在り様について考察した。加えてそうした無心の構成要素の一つをなす心理尺度の日本語版を開発するとともに,関連する神経基盤を検討した。さらに身体競技におけるパフォーマンスに着眼する工夫により,「乱心」という対立概念を立てた上で,「無心」を実現・阻害する心理変数,および個人特性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「無心」に関わる概念間の共通/固有性,それらが実際のパフォーマンスに及ぼす影響の一部が明らかとなり,既存の領域の研究知見に寄与する。それのみならず,得られた知見を,競技場面等でのパフォーマンス評価とリンクする工夫により,実践を視野に入れ,かつ心理尺度の開発等を通じて,得られた知見を基礎―実践へと架橋するものである。それとともに,「無心」という概念を介して,情操教育や健康教育の深化,それに関わる産業の活性化,芸術等との関わりのもとでの新たな文化の創出,あるいは異質な他者との共生に資することも期待される。
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