研究課題/領域番号 |
20K20887
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉松 公平 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (30711030)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | ホール効果測定 / 電子材料 / 装置開発 / 交流測定 / ロックイン検出 / 二交流法 / 永久磁石 / ステッピングモータ / ロックイン法 / 酸化物薄膜 / 交流法 |
研究開始時の研究の概要 |
ホール効果測定は電子材料にとって最重要なキャリア密度と移動度の物性値を実験的に決定できる手法である。測定には磁場の印可が不可欠であり、超伝導マグネットを用いた強磁場を必要とする。しかし超伝導マグネットは非常に高価であり、冷却に必要な液体ヘリウムの問題も抱えている。そこで本研究では、永久磁石の回転と交流電流を用いた二交流ホール効果測定装置を開発し、安価で高感度に材料の電子物性を決定する手法を確立する。
|
研究成果の概要 |
二交流ホール効果測定を実現するため装置設計を行った。ネオジウム永久磁石をステッピングモータにより回転させ、安価に交流磁場生成を実現した。最大周波数として100 Hzを実現し、高速な交流磁場生成を達成した。市販のGaAsホール素子を用いてロックイン検出により二交流シグナルを確認し、理論式通りのホール電圧出力を明らかにした。典型的な酸化物半導体である酸化亜鉛を用い、ホールバー試料を用いた二交流ホール効果測定をデモンストレーションした。その結果、二交流ホール効果測定と従来の直流ホール効果測定で同程度のホール電圧が検出され、本手法と装置で安価で高感度なホール効果測定が可能なことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホール効果測定は、半導体などの電子材料の電子物性を明らかにする重要な測定手法である。ホール効果測定には磁場の印加が不可欠であるが、高いS/N比を得るには強磁場が必要となる。しかし、高磁場印可には高価な超伝導電磁石や液体ヘリウムの冷媒が必要となる。そのため、安価で高感度なホール効果測定法の開発が望まれている。本研究では、永久磁石とステッピングモータにより生成した交流磁場と交流電流印加により2つの周波数が重なったホール電圧をロックイン検出するに交流ホール効果測定法を提案し装置開発を行った。安価で冷媒不要の特徴ながら高感度な測定を実現し、電子物性評価の新たな手法開発として重要な成果である。
|