研究課題/領域番号 |
20K20901
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下澤 雅明 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (40736162)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 有機無機ハイブリッドデバイス / 有機物質 / 無機物質 / 超伝導デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
高温超伝導体の研究は、基礎・応用を問わず盛んに行われてきた。しかし、「高温超伝導体の発現機構の解明」や「高温超伝導体を用いた超伝導デバイスの創成と応用・実用化」は足踏み状態であり、この状況から抜け出すためには、従来とは一線を画す斬新な手法を開発し、研究を推し進める必要がある。 本研究では、無機物質(高温超伝導体)と有機絶縁体を組み合わせた次世代型トンネル接合を創成すると共に、このトンネル接合を用いることで高温超伝導の発現機構の解明、および量子コンピュータなどに適用可能な量子ビット素子の開発に新たな展開を導くことを目的とした。
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研究成果の概要 |
鉄系高温超伝導体FeSeを用いた超伝導デバイスを作製し、その超伝導ギャップ構造の観測に取り組んだ。しかしながら、作製したトンネル接合には、わずかにリーク電流が存在しており、理想通りの超伝導ギャップ構造を観測することはできなかった。その原因として、絶縁層の厚みに不均一性が存在している可能性、絶縁層のギャップザイズが足りていないことなどが考えられるが、現状明確な理由が分かっていない。今後も引き続き作製条件を詰めて、理想的な超伝導ギャップを観測できるように取り組んでいく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、有機無機複合型トンネル接合を利用して、高温超伝導の発現機構の解明、および量子コンピュータなどに適用可能な量子ビット素子の開発に取り組もうという最初の試みである。実際の研究は、未完成な状態で終わってしまったが、超伝導ギャップ構造の兆候を観測することには成功しており、引き続き研究を続けて行くことで、有機無機複合型トンネル接合の実現が可能であると考えている。有機無機ハイブリッド超伝導デバイスの実現の証には、物性物理学・応用物理学の爆発的な発展をもたらすことが期待される。
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