研究課題/領域番号 |
20K20920
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三石 郁之 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (90725863)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | グラフェン / X 線 / 光学素子 / 飛翔体 / 軟 X 線 |
研究開始時の研究の概要 |
X 線観測は太陽系スケールを超えた遠方宇宙観測はもちろん、太陽コロナ起源、地球磁気圏・超高層地球大気や惑星大気の構造を調べることにも有用な手法である。本研究は、超薄膜グラフェンを用いた革新的 X 線光学素子の基礎開発を完遂し、地球・宇宙観測用飛翔体や地上装置への搭載を目指すことで、地球・宇宙物理学から医学・生物学分野までにわたる様々な学術領域における研究課題への取り組みに貢献することである。本開発の完遂には、微細加工技術、高品質グラフェンの製膜技術、加えて新素材グラフェンへの種々の宇宙環境耐性評価方法の確立と実証など、様々な分野での挑戦的研究テーマが含まれ、多くのシナジーが期待できる。
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研究成果の概要 |
インハウスでの開発体制を構築し、基本的な素子製作工程を確立した。結果、直径100 um程度の単層グラフェン自立膜の製作に成功した。これは高開口効率素子の実現に向け大きな前進であった。さらには製作素子に対し音響耐性評価および透過率測定試験を実施し、直径10 um程度の単層自立膜に対しH-IIAロケット認定試験レベルへの耐性、およびC吸収端近傍を除く100-500 eV帯域にて単層換算にて期待通りの高い(>~98%)透過率を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高い機械強度や電磁波・流体・電子などへの高い透過・不透過特性はグラフェンのユニークな物性の一つであり、これらの特長を活かすことができれば様々な組み合わせに対し高いコントラストを可能にする広義の高感度フィルターが実現できる。これが実現できれば飛翔体搭載用素子のみならず、検出器窓やサンプル試料ホルダなど様々な地上装置への実装等が可能となり、宇宙物理学はもちろん、医学・生物学・分析科学分野等への多大な貢献が期待できる。
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