研究課題/領域番号 |
20K20931
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 (2021-2022) 北海道大学 (2020) |
研究代表者 |
山本 順司 九州大学, 理学研究院, 教授 (60378536)
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研究分担者 |
鍵 裕之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70233666)
石橋 秀巳 静岡大学, 理学部, 准教授 (70456854)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 弾性特性 / マントル / 包有物 / 分光分析 / 弾性変形 / 流体包有物 / 鉱物 / ラマン分光分析 / マントル鉱物 / かんらん石 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,サブミリメートルサイズの微小な天然鉱物でも弾性定数とその異方性を決定できる新たな手法の開発に挑戦する.流体包有物の周辺の結晶格子には弾性変形が発現しているはずである.その変形を,本研究で構築する高い波数分解能を持つ分光システムによって精密に読み取る.流体包有物はサブミリメートルサイズの鉱物にも広く存在するため,この弾性定数測定法の開発に成功すれば,様々な天然鉱物の弾性定数とその異方性を一挙に決定することが可能となる.
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研究成果の概要 |
本研究は,鉱物と,その中に包有されている物質(包有物)間の弾性特性の違いを利用し,分光分析によって加熱時に境界領域で発生する歪みを読み取り,ホスト鉱物や包有物の弾性特性を探ることを目指した.ホスト鉱物の加熱にはレーザー光による局所加熱を用いたため,レーザー加熱がもたらす包有物の圧力変化やホスト鉱物の加熱程度の評価も行った.レーザー光は,分光分析で一般的な10 mW程度であってもホスト鉱物を数十度から数百度加熱するため,分光データに対するこの加熱の影響の補正を行った上で,先行研究のデータと照らし合わせ,スピネル包有物の弾性特性を表す状態方程式を求めた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球内部を探る地図として地震波トモグラフィー画像は有用性が増しつつあるが,その解析や解釈に欠かせない天然鉱物の弾性定数に関する報告は多くない.これまで天然鉱物の弾性定数が多く報告されていない一因は試料サイズの制約のためだと考えられる.鉱物の弾性定数は化学組成に強く依存するため,地震波の観測結果を正しく理解するためには様々な化学組成を持つ天然鉱物の弾性定数を数多く調べていく必要がある.本研究で開発した顕微ラマン弾性定数測定法は,微小な鉱物の弾性定数を推定することができる.これは,これまで試料サイズの制約のため測定されてこなかった天然鉱物の弾性定数やその異方性を一挙に決定できる潜在力を秘めている.
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