研究課題/領域番号 |
20K20942
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
瀬川 高弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (90425835)
|
研究分担者 |
西原 秀典 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10450727)
甲能 直樹 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, グループ長 (20250136)
米澤 隆弘 東京農業大学, 農学部, 准教授 (90508566)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | 古代DNA / 絶滅動物 / ニホンオオカミ / 更新世オオカミ / 本州ヒグマ |
研究開始時の研究の概要 |
かつて日本列島には多種多様な中型・大型の哺乳類が生息していた。しかしその多くが更新世後期(12万年-1万年前)に日本列島各地で絶滅し、その存在は化石でしか知ることができない。本研究では、古代DNA分析技術を用いて、更新世に絶滅した本州の大型哺乳類の化石標本からDNA解析をおこない、これまで未知であった大型絶滅動物の系統や、渡来経路と時期、さらに集団遺伝学的解析から、個体数の歴史的な変動を解明する。
|
研究成果の概要 |
本研究では更新世オオカミおよびヒグマの化石標本から古代DNA解析をおこない,これまで未知であった系統的位置づけや渡来経路と時期などを解明した.本州から発掘された更新世後期のヒグマ化石からDNA解析などにより,本州のヒグマが14万年程前にユーラシア大陸北部から本州に到達した古い系統に属する未知の集団だったことを明らかにした.また,更新世後期と完新世前期のオオカミの標本からゲノムDNAなどの解析結果から,従来のニホンオオカミの起源に関する定説を覆し,更新世の日本列島にはこれまで知られていない古い系統の大型オオカミが生息していたことや,ニホンオオカミの進化史を明らかにした.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本列島は基本的にユーラシア大陸から隔離された島弧でありながら、氷期の海水準低下期に断続的に陸続きになるという特殊な地理的環境である。こうした環境であったからこそ、今回の成果は大陸集団では検出できない時間軸を伴った生物地理学的な挙動まで解明できた。後期更新世以前(1万2000年以前)の日本列島にはヒグマ、オオツノジカ、ナウマンゾウといった様々な大型哺乳類が生息していた。それらは大陸から断続的に渡来した結果、「重層的」に集団の置き換わりが起こった歴史を持つ可能性があり、今後の研究の重要なテーマの一つになり、日本列島における哺乳類相の進化史の解明が進むと期待される。
|