研究課題/領域番号 |
20K21012
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白崎 伸隆 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60604692)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 病原ウイルス / コクサッキーウイルス / コロナウイルス / 浄水処理 / 塩素処理 / ウイルス濃縮 / 高不活化率 / テーリング現象 / リバースジェネティクス法 / ウイルス株 / 塩素消毒 / 消毒耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ゲノム解析による情報の集積が世界中で進む病原ウイルスの遺伝子塩基配列データと医学分野で研究が進むリバースジェネティクス法を活用することにより,塩基配列データから病原ウイルスの野生株・流行株の感染性ウイルスを人工合成し,得られたウイルス株を処理実験に用いることにより,単離や輸送による株の入手に頼ることなく,株の差異にまで踏み込んだ病原ウイルスの塩素消毒処理性(不活化特性)を詳細に把握する.
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研究成果の概要 |
本研究では,病原ウイルスの中で塩素処理耐性が高いとされるコクサッキーウイルスに加えて,塩素処理性に関する知見がほとんど得られていなかったヒトコロナウイルスの塩素処理耐性を詳細に把握することに成功した.また,コクサッキーウイルスの高不活化率(8~9 logの不活化率)を達成するために必要な塩素処理条件(CT値)を実験的に明らかにした.加えて,コクサッキーウイルスから抽出した完全長RNAを宿主細胞であるBGM細胞に人工的に導入(トランスフェクション)することにより,感染性ウイルスを合成することに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
凝集-ろ過-塩素消毒から成る現行の浄水処理においては,ウイルス低減の大部分を塩素消毒に依存している.このような中で,水道水を媒体とする病原ウイルスによる水系感染症を制御していくためには,病原ウイルスの塩素処理性を詳細に把握することが極めて重要である.本研究では,ヒトコロナウイルスを含む病原ウイルスの塩素処理性を明らかにすると共に,高い塩素処理耐性を有するコクサッキーウイルスを高度に不活化するために必要な塩素処理条件を明らかにすることに成功したことから,本研究で得られた知見は,水道水利用における病原ウイルスのリスク管理・制御の枠組みの構築に資するものであると考えられる.
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