研究課題/領域番号 |
20K21030
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
永瀬 彩子 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (80544535)
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研究分担者 |
ルプレヒト クリストフ 愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (90783895)
木下 剛 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (30282453)
八島 未和 (松島未和) 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (60527927)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | グリーンインフラ / 屋上緑化 / 窒素循環 / 雨水流出削減 / 都市洪水 / 都市緑化 / グリーンインフラストラクチャー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、GI普及のための科学的根拠、すなわち、大規模水害リスク、都市緑地の有する雨水削減機能、GIの環境改善効果、GIに対する意識についてデータを定量的に示す。この科学的根拠をもとに、行政によるGIの都市計画への取入れ、企業や市民の自発的なGIの導入を促し、防災機能強化都市を実現することを目的とする。今まで工学的に行われてきた都市の水環境の研究に対して、緑地を取り込み、ランドスケープ学、緑地環境計画、工学、心理学の専門家、設計者、行政、企業、市民がチームを編成し、他の国際都市に応用できる日本独自のGIの雨水管理システムのモデルを構築しようとしているところが挑戦的である。
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研究実績の概要 |
(1)GIの環境改善効果(汚染物質除去・雨水流出削減・雨水流出遅延)の可視化:千葉大学西千葉キャンパス内の屋上および松戸キャンパスにおいて、2022年8月、6種類の土壌(アクレE、ビバソイル、ネニプラス、黒ぼく土、黒ぼく土+腐葉土、黒ぼく土+パーライト)を設置し、シバをコンテナに植栽した。コンテナを通過した後の雨水は、設置直後の2022年9月には週2回その後は月1回採取し、雨水量の削減、雨水の質について、特に窒素循環に着目して分析を行った。硝酸態窒素についてはアクレE(浄水発生土)において、アンモニア態窒素が高く、その他の土壌については、実験開始3か月後から急激に低下する傾向が見られた。今後も継続して計測を行う予定である。
(2)GIを普及するための政策:日本において、雨水対策を目的としたGIはまだ普及に至っていない。ここでは、GIを普及するために障害となっている事柄をインタビュー調査により明らかにする。2022年度、柏の葉のUDCK、柏市役所、千葉市、市原市、長柄町などの担当者にグリーンインフラの雨水対策についてインタビューを行った。多くの市町村ではまだこの取り組みが始まったばかりで、今後、緑化の雨水削減効果の可視化などの課題が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
都市緑地の有する雨水削減機能の可視化について、シミュレーションの研究方法をいくつか試したがうまくいかず、他の研究方法を探す必要があるため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は昨年度の研究を続けるとともに、下記の可視化の研究を行う。 都市緑地の有する雨水削減機能の可視化:千葉市内の街区レベルおよび都市レベルにおい て、都市緑地の有する雨水浸透機能と内水氾濫抑制効果を検証することを目的として、 緑地現況、緑地減少シナリオ、GIによる緑地創出シナリオの事例を想定し、シミュレーション解析を行う(飯田ら, 2015)。また、気候変動に対応するため、100年に1度と呼ばれているような豪雨に対して、現状の緑地および今後GIが普及した場合、どのような雨水削減効果が期待されるのか調査を行う。マップを参照して区分けを行い、ゲリラ豪雨対策として、GIを優先的に配置するべき場所や必要な面積を明らかにする。さらに、近年発生した水害に対して、現状の緑地がどれぐらい雨水削減に寄与したのか分析を行う。研究方法については再度検討中である。
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