研究課題/領域番号 |
20K21073
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 亮 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (20734156)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 貴金属ナノ触媒 / 原子分解能電子顕微鏡法 / 貴金属ナノ粒子 / 金属間化合物 / 走査透過型電子顕微鏡 / 真空加熱 / TiO2 / 原子分解能電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
水分解に代表される化学反応あるいは気相反応を利用した新物質合成では,触媒材料の改良や発見が中心的な役割を果たしている.金属ナノ粒子を利用した不均一触媒系では,基板表面の選択や粒径の制御により酸化・還元反応の活性が大幅に改善されたものの,触媒活性の発現・劣化機構は未だ不明である.特に高温での利用により,触媒活性が急激に劣化することが大きな課題である.本研究では,原子分解能を有する走査透過型電子顕微鏡を用い,高温・還元雰囲気下での劣化状態を直接観察することで劣化機構を明らかにすることを目的とする.
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研究成果の概要 |
還元雰囲気下での触媒劣化機構を明らかにするため,原子レベルで平坦かつ清浄なTiO2 (110)基板にPtナノ粒子を真空蒸着した.還元雰囲気である電子顕微鏡中において加熱することにより,Ptナノ粒子の成長に加え,Pt-Tiナノ粒子の形成およびPt-Tiナノ粒子がTiO2 (110)基板に侵入することが明らかとなった.加熱によりPtナノ粒子の表面がTiOxにより被覆されることが報告されているが,EELSを行ったところ,酸化物被覆は確認されなかった.以上のことより,触媒劣化はPt-Tiの合金化に伴う界面接合状態の変化およびTiO2 (110)基板への侵入による活性点の被覆であることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
弱い還元雰囲気(高真空)ではあるものの,加熱によりPtナノ粒子の挙動を原子レベルで初めて明らかにした.また,ナノ粒子の合金化や基板への侵入は直接観察による報告例はなく,学術的にも重要な結果である.得られた結果を基礎として,合金化や基板への侵入を抑制した系を考えることにより,新たな触媒設計が可能となり,社会的貢献が期待される.
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