研究課題/領域番号 |
20K21076
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
熊谷 悠 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00722464)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | バンド端位置 / 第一原理計算 / ハイスループット計算 / バンド端 / 機械学習 / 表面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では重要なのは、「どのように表面計算を系統的に行うか」と「表面方位に関する構造情報をいかに記述するか」という点にある。前者に関しては、空間群に従い、適切な表面モデルを提案するプログラムを作成しており、これを大規模計算に使えるように改良する。また後者に関しては、方位の情報を抽出するための新たな記述子を提案する。本手法は、様々な2次元物性に対して適用可能であることから、マテリアルズインフォマティクスにおける先駆的な仕事になると期待される。
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研究成果の概要 |
近年、計算機性能の向上及び計算手法の発展により、量子力学の基本方程式を解く第一原理計算を用いて、クリーンな終端面におけるバンド端位置を高精度に算出することが可能となってきた。本研究では、100程度の酸化物のバンド端位置を対象に系統的第一原理計算を実行し、得られたデータに基づいて、バンド端の材料ごとの特性を系統的に理解することを目的とした。その結果、同じ酸化物であっても価電子帯上端位置(VBM)が4 eV程度で幅広く分布していることがわかった。またホウ素酸化物においてVBMが低い位置にある一方、Cu-3d軌道やAs, Sbの孤立電子対の軌道がVBMを構成する場合に値が大きくなることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質のバンド端位置は、触媒や光触媒などの表面反応、や半導体のドーピング可能性を決定する重要な特性です。しかし、バンド端位置を実験から決定することは極めて難 しく、その値は文献により異なる事が多いです。一方、近年、計算機性能の向上により、量子力学に基づき、バンド端位置を高精度に算出することが可能となってきました。本研究では、数百物質のバンド端位置を対象に理論計算を行い、そのデータに基づいて、バンド端の材料ごとの特性を系統的に理解することを試みました。本研究はバンド端の特性を理解する最初の一歩であり、これによりバンド端位置を調整することで材料特性の改善につなげていく糸口になると期待されます。
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