研究課題/領域番号 |
20K21078
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大竹 尚登 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (40213756)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | コーティング / ダイヤモンド状炭素 / 耐摩耗性 / 耐焼付き性 / 積層膜 / グラファイト化 / テトラヘドラルアモルファス炭素 / DLC / 機能性薄膜 / 焼付き / ダイヤモンド状炭素膜 |
研究開始時の研究の概要 |
金属,グラフェンと,ダイヤモンドの50%程度の硬さを有するテトラヘドラルアモルファス炭素(ta-C)を多層積層した,耐接着・焼付き性と低摩擦・耐摩耗性を両立した薄膜構造を提案し,真空アーク放電を基礎とした薄膜作製装置を試作して提案した薄膜構造を作製し,ピンオンディスク摩擦摩耗試験の見える化等の工夫による摩耗と焼付きの双方の現象についての学術的検討を経て,耐接着・耐焼付き・耐摩耗性コーティングを実現し,コーティング薄膜の体系に新たな潮流を創出する。これまでの表面コーティングの研究成果では実現不可能である「耐摩耗性と耐付着性を両立させた表面」の形成に挑戦することが,本研究最大の意義である。
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研究成果の概要 |
樹脂成形の金型には,摩耗・凝着防止用に離型剤が塗布されているが,環境負荷が大きく,また激しい凝着を防げない.本研究は,この解決策としてDLC膜とグラファイト状膜を積層したコーティングを提案する.これは,DLC膜由来の耐摩耗性を有し,グラファイト状膜を起点に,膜ごと剥離することで凝着を防ぎつつ,耐摩耗性を維持できるオニオンライクな構造である.そしてDLC膜と銅膜を積層し,銅の触媒効果により界面のDLC膜をグラファイト化させる方法によりオニオンライクDLCを作製し,耐凝着性と耐摩耗性を評価した結果,反復焼付防止機能を有し,かつ耐摩耗性を有するDLCコーティングが作製可能で有ることを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで数多ある表面コーティングの研究成果では実現不可能である「耐摩耗性と耐付着性を両立させた表面」の形成に挑戦することが,本研究最大の意義であり、広く焼付きを防止する手法を提案する点で産業に貢献する点で社会的意義は大きい。そして,表面コーティングとして,二次元構造で,高い弾性率と剥離性を有するグラフェンと,ダイヤモンドの50%以上の硬さをもち,極めて高い耐摩耗性を有するDLCからなる炭素系積層薄膜によって耐摩耗性と耐付着性を両立することを提案している点で,炭素系材料の諸特性を学術的に理解・活用するブレークスルーとなる。
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