研究課題/領域番号 |
20K21127
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
中西 英行 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 教授 (20619655)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 伸縮性導体 / 電気伝導率 / パーコレーション構造 / 結晶成長 / 高分子網目 |
研究開始時の研究の概要 |
伸縮性導体は、エラストマーのように伸び縮みさせても電気を流す物質であり、次世代の柔らかく伸縮性のある電子デバイスの創出に欠かすことのできない材料である。現在の伸縮性導体の製法は、導電性フィラーなどの電気を流す物質をゴムなどの表面に塗布するか、全体に混合するかに大別される。しかし、塗布した場合、剥離による断線が避けられない。一方、単純に混合した場合、エラストマーの伸縮性は劣化し(硬くなり)、逆に、それを避けようと混合量を減らせば導電性が失われる。本研究の目標は、材料の内部に導電性の金属の構造体を局所的に発達させ、伸縮性と導電性のトレードオフの関係を解消することである。
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研究成果の概要 |
金属ナノ粒子を用いた伸縮性導電材料の作製方法について検討した。提案した製法を用いると、金属を高分子材料(繊維)の内部に導入することができ、材料の伸長による電気的パスの断線を抑制することができた。試料は、作製条件によって、繊維内部に発達する金属の空間的分布などが大きく変化し、それによって、電気伝導性や伸縮性などの性質が大きく変化することを確認した。作製条件を整えると、元の繊維の優れた伸縮性を損なうこと無く、歪みが0から150%の範囲において、電気伝導率が100S/cm以上の良好な電気伝導性を示す伸縮性導電材料を作製することが可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伸縮性導電材料の製法は、複雑な手法や特殊な操作を必要とする事が多く、一般性に欠けることが多かった。本研究では、金属ナノ粒子を用いて、材料を溶液に浸すことで、簡単に導電化できる製法を開発した。作製条件の調整を行う事で、最大で1000S/cm以上の高い電気伝導率が得られるだけでなく、伸縮性も保持することが可能であった。製法の単純さと得られる優れた性質の観点から、提案した製法は伸縮性導電材料の新しい作製手法として、今後のさらなる発展が期待された。
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