研究課題/領域番号 |
20K21174
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小堀 康博 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (00282038)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 量子コンピュータ / 電子スピン分極 / 励起子分裂 / 電子スピン共鳴法 / コヒーレンス / 量子もつれ / スピン相関三重項 / 五重項 / 一重項励起子分裂 / 四量子ビット / 時間分解電子スピン共鳴法 / 解離多重励起子 / スピン量子テレポーテーション / スピン相関三重項対 / 四電子系量子もつれ / 量子テレポーテーション / 時間分解電子スピン共鳴 / 多重励起子 / デコヒーレンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、光入力による四電子系強相関多重励起子の解離による量子もつれの転送とスピン量子テレポーテーションをマイクロ波による吸収(A)や放出(E)信号の「観測」から実現する極めて挑戦的なものである。このため小堀が構築した電子スピン分極移動モデルを駆使し、(TT)からの解離で生成した各三重項励起子に生成する電子スピン分極を、独自に構築するスピン相関三重項対モデルで説明されるスピン量子準位間の遷移として解析することで具体的に検証する。電子スピン分極による詳細な解析によって量子観測や量子誤り問題の本質的理解、固体材料系フォノンの揺らぎによるデコヒーレンス効果の解明を行う。
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研究成果の概要 |
励起子分裂(S1 + S0→T1 + T1)で生成する解離多重励起子のスピン量子状態遷移による量子もつれを具体的に特徴づけた。スピン強相関多重励起子1(TT)からの解離で生成した各三重項励起子へのスピン量子テレポーテーションをマイクロ波による吸収(A)や放出(E)信号の「観測」と、それら信号に対する量子論を用いた電子スピン分極移動モデルによる理論的解析により実証した。分子内シングレットフィッション系では、強く相関した多重励起子からの電子的相互作用による束縛を解く際にかかるねじれ振動モードと周波数を具体的に特徴づけるとともに、それによる解離多重励起子の立体構造の変化も明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、電子スピン分極による詳細な解析によって1)多重励起子生成機構、2)励起子解離に対する分子振動効果など分子論的解明、3)量子観測や量子誤り問題の本質的理解、4)固体材料系フォノンの揺らぎによるデコヒーレンス効果の解明など、分子科学における様々な未知問題を解き明かし学術体系を変革させる。まさに「量子情報光化学」と呼ぶべき新分野を開拓するものであり学術的意義や社会への波及効果が極めて大きい。
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