研究課題/領域番号 |
20K21198
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新藤 充 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (40226345)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | トリプチセン / ベンザイン / かご分子 / イノラート / カプセル分子 / 檜山カップリング / パラジウム触媒 / グラブス触媒 / 鈴木カップリング / イミン / 酸化 / イプチセン / 有機カゴ分子 / 分子認識 |
研究開始時の研究の概要 |
3次元閉鎖空間をもつ有機カゴ分子は多機能が期待される有機素材である。本研究では2分子の剛直なトリプチセン(3枚のベンゼン環がプロペラ状に配置された有機分子)を底と蓋としてそれらを複数の鎖でつなげた共有結合性半剛直非金属有機カゴ分子の自在合成とその特性の開拓を目的とする。すでに官能基化トリプチセンの1工程合成法を見出している。このトリプチセンを3本のリンカーを用いて共有結合で連結することで安定かつ半剛直なカゴ状分子を合成する。イプチセンに拡張することで内孔サイズを広げる試みをする。
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研究成果の概要 |
筆者らが見出したイノラートとシリルベンザインとの3連続環化付加反応による1,8,13位置換トリシリルトリプチセンの新規合成法を基盤として、2分子のイプチセンを「底」と「蓋」として、それらを複数の「支柱」でつなげた共有結合性半剛直非金属有機カゴ分子の合成を目的とした。トリシリルトリプチセンをトリブロモトリプチセンに変換し、カップリング反応で支柱を形成し、別途合成したトリホルミルトリプチセンとの縮合でカゴ分子を高収率で合成した。同様に壺型かご分子も合成した。これらに関連して、パラジウムが4反応を触媒する連続反応によるキラルトリプチセンの合成、およびトリプチセンの開環反応も見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トリプチセンという剛直なプロペラ型分子を底と蓋とするような半剛直カゴ分子の合成に成功した。将来、トリプチセンをイプチセンに拡張することで「底」と「蓋」の大きさを拡大し、さらに支柱の本数、長さ、幅を調整することによりカゴ分子の内孔の大きさを自在に調整することができると考えられる。このかご分子は、その内部の分子空間を利用した高度な分子認識や触媒機能の発現、また、規則的な配列をもつ細孔材料等に展開可能と考える。以上、本成果は、ホストゲスト化学、酸塩基複合触媒機能、多孔性材料、ドラッグデリバリーシステム、不安定分子の隔離安定化などに応用可能なカゴ分子の合成法を提供するものである。
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