研究課題/領域番号 |
20K21230
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
幅崎 浩樹 北海道大学, 工学研究院, 教授 (50208568)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | マグネシウム / 正極集電体 / リチウムイオン電池 / 不働態皮膜 / 電極 / 集電体 / 腐食防食 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,フッ化物系有機電解液中でほとんど溶解せずに,高電位まで不働態皮膜を生成することができるマグネシウムに着目し,これを今後開発が進むと予想される5V超級のリチウムイオン電池の正極集電体としての応用を目指す。リチウムイオン電池に用いられる各種有機電解液中におけるマグネシウムの安定性と生成する不働態皮膜の解析を行い,有機電解液中におけるマグネシウムの耐食性を支配する溶液側因子について明らかにする。さらに活物質とマグネシウム集電体の界面構造を解析し,電子の伝導パスの可視化を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,フッ化物イオンを含む環境において不働態化するマグネシウムのリチウムイオン電池の正極集電体としての可能性を明らかにするために,各種リチウムイオン電池系電解液中におけるマグネシウムの高電位における安定性について検討を行った。その結果,LiPF6系電解液においては,不働態化できるのは4 V vs Li+/Li程度までであり,それ以上の電位では脱不働態化する。この環境ではMgF2からなる安定な不働態皮膜が形成できないためであることが表面分析から推定された。一方,フッ化物シャトル電池用の電解液を用いて安定性を評価したところ,10 Vでも脱不働態化が起きないことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究結果は当初の期待ほどの高いマグネシウムの正極集電体としての安定性を示すものではなかったが,最も軽量な実用金属であり,電池分野においても応用が期待される金属の各種電解液中における安定を評価できた点において一定の学術的意義はあったと思われる。マグネシウムは高活性であるが,安定なMgF2を形成するにはある程度の濃度のフリーのフッ化物が存在する電解液が必要と推察される。
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