研究課題/領域番号 |
20K21238
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中西 真 岡山大学, 安全衛生推進機構, 助教 (10284085)
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研究分担者 |
押木 俊之 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (80311794)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 酸化鉄 / 色調 / テンプレート / 赤色顔料 / 有機分子 / 熱処理温度 / 顔料 / 低分子有機物 / 化学プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
鉄酸化細菌が自然環境の下で形成する水酸化鉄ナノ粒子集積体を加熱処理すると、極めて高彩度の酸化鉄顔料が得られることを明らかにしてきた。しかし、細菌の培養による集積体の作製では生産性の観点から実用化にはほど遠いことも分かっている。本研究では、自然界の作用機序のエッセンスに基づき、完全人工化学プロセスによる、極めて生産性の高い高彩色酸化鉄顔料の合成法の開発を目指す。また、得られた集積体を加熱処理により変換した酸化鉄粒子の構造・組成・色調を明らかにして、特徴的な色調を示すメカニズムを解明し、顔料としてのポテンシャルを評価する。
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研究成果の概要 |
自然界で鉄酸化細菌が作り出す水酸化鉄を利用した赤色顔料は鮮やかで耐熱性が高いことが知られている。この反応メカニズムを基に、高彩度無機顔料を効率よく大量に作製するための新しい合成プロセスの開発を有機分子を用いて試みた。合成条件を詳細に検討することにより、スケールアップが容易で量産化に適した新しい合成プロセスにより、市販顔料と同等の色調を示す無機顔料が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高彩度酸化鉄系顔料を合成するために様々な試みがなされており、鉄酸化細菌が作り出す多糖を利用して水中の鉄から水酸化鉄を得る方法(バイオテンプレート法)もその一つである。この方法の反応メカニズムを基に、本研究により、多糖でなくても特定の有機分子で金属化合物の集積化が可能であることが実験的に確かめられた。この成果は、完全人工化学プロセスによる、生産性の高い高彩色無機顔料の合成法の確立に向けて大きな前進である。
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