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標的とする細胞表層タンパク質の生合成を特異的に阻害する革新的な低分子化合物の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K21262
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分38:農芸化学およびその関連分野
研究機関東北大学

研究代表者

門倉 広  東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (70224558)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
キーワード分泌タンパク質 / ジスルフィド結合 / 哺乳動物 / 小胞体 / 物質生産 / 低分子化合物 / 細胞表層タンパク質 / 阻害剤 / シグナル配列 / IL6R / PD-1 / 生合成阻害剤 / 生合成
研究開始時の研究の概要

近年、疾病の原因になる細胞表層タンパク質に結合し不活化する抗体が、治療薬として実用化されている。しかし、抗体医薬は高価であり、それに代わる低分子化合物の開発が望まれる。最近、既知の抗ウイルス剤のなかに標的タンパク質のシグナル配列に結合し、その生合成を阻害するものが見出された。シグナル配列はタンパク質ごとに異なるため、その阻害剤は特異性が高く有用な治療薬になる可能性がある。本研究では、シグナル配列の機能の低下を検出する鋭敏なレポーター(申請者らが開発)を利用して、疾患の原因となるタンパク質(IL6RとPD-1等)の生合成を特異的に抑制する、革新的な低分子化合物を探索する。

研究成果の概要

本研究では、疾病の原因になるヒト細胞表層タンパク質の生合成を阻害する化合物を探索するための実験系を作成した。そのためには、タンパク質の小胞体への局在化効率の低下を検出する鋭敏なレポーター(研究代表者らが開発)を利用した。パイロットレベルの探索および様々な角度の実験から、レポーターの感度を飛躍的に上昇させるとともに、レポーターの特質を明らかにすることに成功した。これら知見は大規模探索に向けて大きな進展である。更に本研究で作成した実験系を利用した解析から、変異によって脂質異常症の一つである高トリグリセリド血症を引き起こす小胞体膜タンパク質の分子機能の解明に役立つ知見を得ることに成功した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

疾病の原因になるヒト細胞表層タンパク質に結合し不活化する抗体は治療薬として有用だが、調製に多大なコストを要する。本研究では、抗体医薬に代わる廉価な低分子化合物を得るための第一歩として、疾病の原因となる細胞表層タンパク質の生合成を特異的に阻害する薬剤を探索するための系の構築を進めた。小規模の探索およびその後の解析から、実験系の効率化と、実験系の特質の解明に成功した。これは、今後の大規模探索に向けて大きな進展である。更に、作成した実験系を使って、変異によって脂質異常症を引き起こすタンパク質の分子機能の解明に役立つ知見を得た。よって、作成した実験系は基礎と応用の両面から有用であることが判明した。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] ルシフェラーゼの改変体を利用した小胞体機能の解析と有用化合物の探索2023

    • 著者名/発表者名
      門倉 広
    • 雑誌名

      日本応用酵素協会誌 2022

      巻: 57 ページ: 49-49

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ヒト細胞内で翻訳途上のタンパク質にジスルフィド結合が形成される仕組み2022

    • 著者名/発表者名
      門倉 広
    • 雑誌名

      化学と生物

      巻: 60 号: 11 ページ: 557-559

    • DOI

      10.1271/kagakutoseibutsu.60.557

    • ISSN
      0453-073X, 1883-6852
    • 年月日
      2022-11-01
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 哺乳動物細胞PDIファミリー酵素の生理的な基質の同定2020

    • 著者名/発表者名
      門倉 広
    • 雑誌名

      化学と生物

      巻: 58 号: 8 ページ: 441-443

    • DOI

      10.1271/kagakutoseibutsu.58.441

    • NAID

      130008070258

    • ISSN
      0453-073X, 1883-6852
    • 年月日
      2020-08-01
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト細胞の小胞体中における タンパク質の折り畳みを促進する仕組みの解析2023

    • 著者名/発表者名
      門倉 広
    • 学会等名
      第78回 東京工業大学細胞制御工学研究センターコロキウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ヒトPDIファミリー酵素によって触媒される タンパク質のジスルフィド結合形成機構2022

    • 著者名/発表者名
      門倉 広
    • 学会等名
      第23回酵素応用シンポジウム 研究奨励賞受賞講演
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ヒト小胞体膜タンパク質LMF1による膜を介した電子移動メカニズムの解析2022

    • 著者名/発表者名
      佃 竜介, 原田 楠子, 平井 直也, 東 晃太, 小林 大樹, 松本 雅記, 稲葉 謙次
    • 学会等名
      第45回 日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ヒト細胞小胞体関連機能の変化を検出するための鋭敏で簡便なレポーターの開発と機能評価2021

    • 著者名/発表者名
      原田楠子, 八巻 聡, 平井直也, 中村大祐, 河野憲二, 稲葉謙次, 門倉 広
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会、パシフィコ横浜(横浜、2021年12月2日)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] ジスルフィド結合が形成される仕組み:独自のアプローチで迫る、ヒト分泌タンパク質の生細胞内における立体構造形成機構2021

    • 著者名/発表者名
      門倉 広
    • 学会等名
      第5回 有機・生命・計測科学研究交流セミナー
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] 東北大学大学院生命科学研究科/研究/研究者紹介/門倉 広

    • URL

      https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/research/teacher/detail---id-19734.html

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書 2021 実施状況報告書
  • [備考] 門倉 広|東北大学 大学院 生命科学研究科

    • URL

      https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/research/teacher/detail---id-19734.html

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-08-03   更新日: 2024-01-30  

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