研究課題/領域番号 |
20K21266
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 哲弘 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40323480)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | リボソーム / リボヌクレアーゼ / バイオフィルム / 一分子イメージング / 翻訳異常 / RNase |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「環境変化に応答したRNase T2の活性調節機構」および「RNase T2によるRNA分解産物に調節されるカスケード」を検証し、これを通して大腸菌におけるRNase T2を介したバイオフィルム形成制御機構を解明する。また、この機構のバクテリアにおける普遍性について検討する。本研究は、リボソームそのものがバイオフィルム形成制御に関わるとの仮説に基づいており、新たな概念提示が期待される。また、RNase T2によるRNA分解産物は、ストレスに応答して動物・植物でも蓄積することから、生物に共通した機能を担う可能性がある。本成果は、これを検証する上で礎となるものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、大腸菌における新規バイオフィルム形成制御機構の解明を目的としている。これには生物に普遍的なリボヌクレアーゼが関与しており、このリボソームの活性により生じたシグナル因子が、バイオフィルム形成を抑制する。この場合、バイオフィルム形成時には、このリボヌクレアーゼの活性は阻害される必要がある。そこで、私は、このリボソームの活性制御の分子機構解明を行った。その結果、このリボヌクレアーゼは、停止中のリボソームと結合することで活性が阻害されることが分かった。本結果は、生化学的研究に加え、生物構造学的手法および一分子イメージング法からも示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バイオフィルムは、ヒトには有害である。そのため、分子機構に関して、これまで多くの研究がなされてきたが、複雑かつ細菌種によっても異なっており、全容解明には道半ばである。今回、申請者は、リボヌクレアーゼという、無関係に思える因子の介在する分子機構に注目し、仮説の立証に成功した。本成果は、本分野の研究に新たな知見をもたらすものである。 また、本機構には、新規シグナル因子が関与している。本研究では深く注目出来なかったが、このシグナル因子は真核生物ではストレス応答因子と考えてられているが、機能は不明である。この因子の機能解析に挑戦することで、生物学の新分野開拓が期待される。
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