研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、イオウに着目し、タンパク質中のイオウを標的とする。そして、食品や食品成分の作用評価が可能な技術として、従来の抗酸化作用の評価を超える革新的な食品機能評価が期待できる。本研究において開発を目指す技術は、イオウの酸化還元状態や存在形態の分析を可能とする。新しい視点で革新的な機能性食品開発や、タンパク質中のイオウ存在形態の解析を指標に疾病を診断するための基盤技術としての応用可能な革新的技術となる。
「二次元電気泳動によるイオウ存在形態のサルファープロテオミクス解析」において、翻訳後修飾としてのチロシン硫酸化の機能解明を目的に、ゼブラフィッ シュをモデルに二次元電気泳動によるプロテオーム解析を実施した。タンパク質パースルフィドの特異的検出法開発を目 的に、研究を実施した。タンパク質中のシステインのチオール基(SH基)にさらに硫黄が付加 し、パースルフィド(SSH基)となったものをタンパク質パースルフィ ドという。SH基の蛍光標識試薬CyDye maleimideを用いたタンパク質SSH化検出条件の検討を行った。さらに、新型コロナウイルス感染時の受容体ACE2のチロシン硫酸化を検討した。
新型コロナウイルスの受容体であるACE2のチロシン硫酸化を明らかにした。ACE2のペプチドを用いた結果、3種類のACEIIペプチドの内、2種類のACE2ぺプチド(ACE2-1とACE2-2)の硫酸化を酵素活性測定にて見出すことが出来た。ACE2のペプチドを 酵素的に硫酸化し、LC-MSを用いて解析した結果、ACE2-1ペプチドの硫酸化ペプチドを検出することが出来、さらに、MS/MSによる構造解析を行うことが出来た。これらの結果より、ACE2のチロシン硫酸化が新型コロナウイルスの感染制御に関わる可能性が示された。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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