研究課題/領域番号 |
20K21312
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩上 哲史 京都大学, 農学研究科, 助教 (00761107)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | セーフナー / P450 / 除草剤 / 薬害 / 代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
農耕地で使用される除草剤は幅広い雑草種を枯死させる一方で、作物の生育は阻害しない特性(選択性)を持つ。選択性を高めるため、補助化合物セーフナーが添加されることも多い。セーフナーは作物の除草剤解毒代謝機能を強化すると考えられているが、セーフナーによる薬害軽減作用発現の分子機構は全く分かっていない。本研究では水稲用除草剤で使用されるセーフナー・ダイムロンを用い、薬害軽減作用の分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
水稲作におけるほぼ唯一のセーフナー・ダイムロンがイネにもたらす多剤抵抗性誘導機構について解析した。得られた成果は以下の3点である。(1)ダイムロンは少なくとも3種の作用機構の除草剤の薬害を軽減することを明らかにした。(2)遺伝子発現解析および遺伝子機能解析を行い、ALS阻害型除草剤抵抗性に関わる可能性が高い2つのシトクロムP450遺伝子を同定した。(3)(2)のシトクロムP450遺伝子はALS阻害型除草剤抵以外の解毒には関わらないことを示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セーフナーは作物の除草剤耐性を強化する化合物の総称であり、除草剤と同時または事前に処理することにより、作物と雑草の薬害の差を増強できる点において、農業上非常に有用である。しかし、セーフナーの作用機構については、これまで分子レベルの知見はほとんどなく、効果の高い化合物の合理的なデザインや除草剤活性成分との組み合わせの予測は困難であった。セーフナーの作用機構の一端を明らかにした本研究成果は、既存のセーフナーの有効な活用方法の探索や、新規セーフナーの開発に繋がる可能性があり、除草剤の利用場面が多様化し、抵抗性雑草の防除に多様な除草剤が求められる現代農業において重要な研究成果といえる。
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