研究課題/領域番号 |
20K21320
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
川崎 努 近畿大学, 農学部, 教授 (90283936)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | エフェクター / イネ / 病原力 / シロイヌナズナ / 病原性 / 植物免疫 / 耐病性 / 病原菌 / 植物 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
病原菌が植物細胞内に分泌するエフェクターは、病原菌の病原力の根源であると言える。そこで、病害防除の観点から、エフェクター機能を阻害する新技術の開発を行う。本研究では、エフェクターと宿主免疫因子の詳細な相互作用解析により、エフェクターが結合する宿主免疫因子の最小ドメインを決定し、エフェクタートラップドメイン(ETD)として利用する。ETDを植物細胞内で発現させ、ETDがエフェクターと宿主免疫因子の相互作用を阻害するかどうかを解析する。得られた成果をもとに、ETDを利用して、病原菌の感染力を弱体化させる次世代型の耐病性技術の開発を行う。
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研究成果の概要 |
作物に重要病害を引き起こすキサントモナス属の病原菌は、多数のTALエフェクターを植物細胞内に分泌する。TALエフェクターは、転写因子として宿主遺伝子の転写を制御することができる、病原力の鍵因子である。そのため、TALエフェクターの機能抑制により重要病害を克服できると考えられる。イネNB-LRR型受容体Xa1がもつccBEDドメインが、TALエフェクターと相互作用することが明らかになった。そこで、TALエフェクターをトラップするため、ccBEDドメインを過剰発現するイネを作出した。しかし、ccBEDは核でTALエフェクターと相互作用するものの、転写因子としての機能を阻害しないことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界的な環境変動により、病害虫の発生地域が変化・拡大することで、農業生産に大きな損失をもたらしている。また、環境保全の観点から、病原菌を殺すのではなく、病原菌の病原力を抑制する技術の開発が望まれる。キサントモナス属の病原菌は、多くの重要病害を引き起こすことが知られている。キサントモナスの病原菌がもつTALエフェクターは、病原力の鍵因子であるため、TALエフェクターの機能を抑制する技術を開発できれば、次世代の耐病性技術として非常に有効であると考えられる。
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