研究課題/領域番号 |
20K21336
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小池 一彦 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (30265722)
|
研究分担者 |
小原 静夏 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (10878276)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 瀬戸内海 / 漁業 / 貧栄養化 / 植物プランクトン / 牡蠣養殖 / 海底耕耘 / 牡蠣 / 海の肥沃化 / 豊かな海 / 基礎生産 / 漁業生産 / 赤潮 |
研究開始時の研究の概要 |
かつて宝の海と呼ばれた瀬戸内海の漁獲量はこの30年で半減した。その大きな要因は,瀬戸内海環境保全特別措置法(瀬戸内法)により栄養塩(窒素やリン)濃度が減少し,基礎生産者である植物プランクトンが増えない「やせた海」になったからである。ただし,海底の泥の上には良質な植物プランクトンのタネ(休眠胞子)が眠り,栄養塩もたくさんある。これらを光があたる水深まで巻き上げることができれば良質なプランクトンが増え,海の生産性は上がるはずである。この研究では,漁業者の自助努力として可能な「海底耕耘」の有効性を科学的に立証し,さらに,海底耕耘の効果を持続的にもたらす自立型揚水装置を作製する。
|
研究成果の概要 |
瀬戸内海では貧栄養化により植物プランクトンによる基礎生産が低下し,漁業全体の縮小を招いている。本研究で実施した海底耕耘は,栄養豊富な海底付近の海水と,海底泥に含まれる植物プランクトンの休眠期細胞を海表面に巻き上げようとするものである。2021年の6月に広島湾北部で漁船9隻による集中的な海底耕耘を実施したところ,栄養塩の増加,植物プランクトンの光合成活性の上昇,それに引き続く増殖が見られ,海域の肥沃化に効果的であると思われた。その一方,海底耕耘は労力も大きく,継続した効果は期待できない。そこで,海底耕耘同様の効果を継続的に与える「海底水揚水装置」を試作し,カキ肥育に効果的であることを確かめた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
瀬戸内海はかつて富栄養化が進行していたが,厳しい排水規制を伴う瀬戸内海環境保全特別措置法が施行され,現在は逆に貧栄養化状態にあるとされる。その結果,食物連鎖の底辺にある植物プランクトンが充分に増殖せず,漁業全体の低迷を招いている。この状況を改善するために,漁業者の自助努力により実施可能な「海底耕耘」が推奨されているが,その効果を科学的に見積もった例はない。本研究では漁業者と連携し,広島湾北部で集中的に耕耘を行った結果,栄養塩の増加と植物プランクトンの増加を認め,海底耕耘が海域の肥沃化に効果的であることを実証した,同様の効果を与える海底水揚水装置を試作し,カキの肥育に効果的であることも確認した。
|