研究課題/領域番号 |
20K21413
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
田村 康 山形大学, 理学部, 教授 (50631876)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ミトコンドリア / クリステ / リン脂質輸送 / リン脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ミトコンドリア内膜の特殊なクリステ構造が形成される分子機構を明らかにすることを目的とし,以下の実験を行う。(1)ヒトにおけるミトコンドリア内リン脂質輸送因子がクリス形成に関与するかの検討,(2)クリステ新生と消失の瞬間をライブセルイメージング, (3)クリステ形成に関与する新規因子の遺伝学的探索,(4)クリステ膜形成の試験管内再構成。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアクリステ形成因子としてわれわれが見出した酵母Mgm1, Mdm35, MICOSのヒトオルソログ(OPA1, PRELID1-TRIAP1, MICOS)のシングル,ダブルKO細胞を構築し,ミトコンドリアやクリステの蛍光顕微鏡や電子顕微鏡により解析した。その結果,OPA1-KO細胞では先行研究と同様に層状クリステが減少することを確認した。またOPA1とMic60を同時にノックアウトした細胞では,クリステが殆ど見られなくなる細胞が増加した。今後これらの細胞に,欠損させた遺伝子を戻し,クリステが再形成される過程を観察することで,クリステ形成機構の解明が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアのクリステ膜は,ミトコンドリアのATP生産の効率化に必須の構造である。このクリステ膜構造が見つかってから長い年月が経っているが,このような特徴的な膜構造が形成されるメカニズムはほとんどわかっていない。今回,わたしたちが出芽酵母を用いた研究によって独自に発見したミトコンドリアクリスて形成因子を,ヒトの細胞を用いて解析し,出芽酵母で得られた知見を確認することができた。今後さらに研究をすすめることで,クリステ膜形成の謎が明らかにできれば,ミトコンドリアの機能が低下した疾患の治療法戦略などに貢献できると期待される。
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