研究課題/領域番号 |
20K21417
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 壮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90716713)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 花粉 / 休眠 / 発芽 / 脂質体 / 小胞体 |
研究開始時の研究の概要 |
生物はエネルギーを消費しない休眠状態と、エネルギーを消費する成長状態を使い分け多様な環境に適応している.植物の花粉は雄性配偶子であるが、水分が20%以下に制限され仮死状態にある.仮死状態で受粉したのち数分で吸水が始まり、わずか15分後には生物界で最も高速とも言われる先端成長状態へと移行する.本研究では花粉に大量に存在する脂肪滴がこのような状態遷移を可能にしていると仮説立てその機能を検証する.
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研究成果の概要 |
この研究は、花粉細胞が仮死状態から急速に液胞化し、高速で先端成長状態へと移行するメカニズムについて、植物のVPS13aという分子に着目して解析を行なった.VPS13aは小胞体ネットワークやLipid droplet(LD)といった細胞内オルガネラの間の接着とリリースの制御に重要な役割を果たすことが明らかとなった.また、VPS13aは分泌小胞を構成するタンパク質と共局在することが明らかとなり、VPS13aを欠損させると花粉管の分泌に影響が生じることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、植物のVPS13aの生化学的な機能が初めて明らかとなった.VPS13は真核生物において普遍的に保存されており、様々な細胞機能をもつことが報告されてきた.一方で、本研究ではVPS13aが初めてエキソサイトーシスに関わることを示しており、細胞分泌と花粉管成長との間を取り持つ鍵分子であることを明らかにした.VPS13は真核生物で保存されているうちで最も大きなタンパク質のひとつであり未知が多く、本研究の基礎細胞生物学的な価値が期待される.
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