研究課題/領域番号 |
20K21443
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梅崎 昌裕 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (30292725)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ファイトケミカル / 非感染性疾患 / 健康転換 / 東南アジア / 栄養転換 / 腸内細菌 / ラオス / 少数民族 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、エネルギー密度の高い食品の過剰摂取と身体活動の不足という現象が観察されないにもかかわらず、非感染性疾患の有病率が急速に増加するという、いわゆる途上国の「辺縁地域」で顕在化する健康問題のメカニズムを、伝統的な食生活では多量に摂取されていたファイトケミカルの摂取と腸内細菌叢の変化に焦点をあてて解明を試みるものである。人類が経験する非感染性疾患の増加という現象の背景にある要因として、ファイトケミカル(野生植物)の摂取量減少と腸内細菌叢の乱れという2点を、健康転換の途上にある人類集団で検討することに挑戦的研究としての意義がある。
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研究成果の概要 |
東南アジア山岳部をはじめとする野生植物を多く食べていた集団では、エネルギーの過剰摂取と身体活動の低下が観察されないにもかかわらず「栄養転換」のみられる事例が報告されている。本研究では、そのような集団では野生植物およびそこに含まれるファイトケミカルの摂取量が減少したことと、腸内細菌叢の変化が原因となって非感染性疾患が増加しているという仮説を検証した。調査はラオス北部山岳部にある3村落を対象におこない、食生活と身体活動にかかわる質問紙調査に加えて、酸化ストレス/炎症を評価するためのバイオマーカー測定、腸内細菌叢の評価をおこなった。成果は5本の論文にまとめ国際誌に発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラオスの農村部で非感染性疾患が増加する背景として、ファイトケミカル(抗酸化物質のひとつ)を多く含む野生植物の摂取量が減少していること、食生活の変容にともなう腸内細菌叢の変化に加えて、重金属暴露、酸化ストレスがかかわっている可能性を示した。現代社会では甘く柔らかい野菜が好まれるが、非感染性疾患のリスク低減のためには、可食野生植物を活用することも考えるべきだろう。
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