研究課題/領域番号 |
20K21450
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
大久保 奈弥 東京経済大学, 全学共通教育センター, 教授 (50401576)
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研究分担者 |
小宮 剛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30361786)
大野 剛 学習院大学, 理学部, 教授 (40452007)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | coral / meroblastic / Ediacara / formation / embryo / サンゴ / 刺胞動物 / エディアカラ / 化石 / 初期胚 |
研究開始時の研究の概要 |
中国貴州省ではエディアカラ紀の地層から最古の後生動物の胚化石が産出する。胚化石の初期発生様式は等割(全割)と盤割(部分割)であり、この時代には海綿と刺胞動物が存在したので、胚化石は刺胞動物である可能性は高いが、盤割を行うのは頭足類や脊椎動物といった左右相称動物である。そのような折、私は刺胞動物で初めて盤割様発生をするサンゴを発見した。そこで、同じ発生様式を持つエディアカラ紀の胚化石と現生のサンゴ胚において、最先端の質量分析装置であるLA-ICP-MS/MSを用いて、生体元素(主に金属元素)分布を明らかにし、その共通性や類似性を比較分析するこ とで、胚化石の親生物を特定することに挑む。
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研究成果の概要 |
エディアカラ期には海綿と刺胞動物が存在したとされ、その地層からは等割と盤割様の胚化石が発見されていますが、現生の海綿と刺胞動物は盤割様の発生をしないので、胚化石の親生物は不明でした。そのような折、刺胞動物で初めて胚化石と同様の初期卵割をするサンゴを発見しました。そこで、胚化石と現生のサンゴ胚の生体元素(主に金属元素)の分布を比較分析し、胚化石の生物門の特定に挑みました。残念ながら、コロナ禍で海外出張ができず、また、手持ちのエディアカラの岩石からは分析に適した胚化石を採取することができませんでしたが、現生のサンゴでは微量金属元素の分布を全て明らかにできたので、引き続き解析を続けます。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、地球最古の胚がどんな生き物に由来するのか、研究者だけでなく、子供を始めとした一般の人々の想像を掻き立てる、大変夢のある内容です。また、化石メタロミクスという新たな研究分野を創るだけでなく、発生胚で生体内元素がどの様に利用されているのか、卵割の種類で違いがあるのかなど、様々な研究にも応用できる方法を開発するので、学問的にも大変意義があり、まさに挑戦に値すると考えます。
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