研究課題/領域番号 |
20K21457
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小山 隆太 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (90431890)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ミクログリア / 貪食 / 血管 / 赤血球 / マイクログリア / マクロファージ / 発達期 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、発達期マウス脳内で新規に発見した構造物BUbbly Dense Organization (BUDO)の細胞種を詳細に同定し、その機能や存在意義を探索することを目的とした研究を行う。特に、BUDOの細胞種と機能、そして機能制御の方法の確立を目指し、脳発達における脳内免疫システムを制御する新たな細胞生物学的メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
脳内で多量の出血が生じると、血中の細胞毒性成分の放出等により脳組織に損傷が生じ、脳機能障害に繋がる。本研究では、健常な生後初期マウスを用いて、脳内出血に対する細胞応答とその機構の解明を目的とした研究を行った。その結果、マウスの脳内出血は生後約2週間にわたり脳内の広範な領域で生じており、出血部位ではマイクログリアが赤血球を貪食してBUDO構造をとることが明らかとなった。この赤血球貪食マイクログリアはヘムオキシゲナーゼ分解酵素(HO-1)の発現を介して細胞保護的な役割を果たすとともに、非赤血球貪食性マイクログリアとは異なる遺伝子発現パターンを有するようになることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、健常マウスにおいて生後初期限定的に脳内出血が生じていることを発見した。そして、マイクログリアが葡萄の様な構造をとり(BUDO構造)、HO-1を介して赤血球を貪食することで、発達期脳における細胞保護的な役割を担うことを明らかにした。さらに、赤血球除去がほぼ終了している生後2週齢においては、HO-1発現マイクログリアは成熟マイクログリアの形態を示す一方で、マイクログリア恒常性遺伝子の発現低下をはじめ特徴的な遺伝子発現を示すことを明らかにした。本研究は、脳内出血を生後初期マウスで初めて網羅的に解析し、それに対するマイクログリアの細胞応答や分子メカニズムを明らかにした点で意義深いと考える。
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