研究課題/領域番号 |
20K21458
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
植松 朗 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任講師 (90716242)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 脳腸相関 / ドーパミン / 糖 / 報酬 / 腸脳相関 / イメージング / インスリン |
研究開始時の研究の概要 |
動物には消化管で吸収された栄養素の情報が脳に伝達される脳腸相関と呼ばれる機構が存在する。この中でも、糖や脂肪を摂取すると栄養素としてのシグナルが脳の報酬系に関係するドーパミン(DA)神経を活性化させ、その結果としてやみつきになることが知られている。腸から脳への情報伝達において、迷走神経由来のシグナルが嗜好を生じる機構については解明されてきているが、液性因子が脳に作用する機構については未解明である。DA神経にはインスリン受容体が発現している。そこで、本研究は糖により分泌されるインスリンシグナルがDA神経に作用するメカニズムについて解明する。
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研究成果の概要 |
栄養素を胃に投与することにより脳の腹側被蓋野におけるドーパミン神経細胞の応答がおこることを電気生理学的に確認した。実際にマイクロダイアリシスを用いてドーパミン変化量を側坐核にて測定すると栄養素投与によるドーパミン上昇がみられた。ドーパミン神経細胞は投射先によって異なる機能をもつ細胞群にわけられるため、それぞれの機能を解明するための多点ドーパミン計測を行った。蛍光ドーパミンセンサーを用いて脳の複数部位からのドーパミン応答を観察することを行った。その結果、側坐核において糖を投与した際の応答に脳部位の特異性があることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳腸は互いに情報伝達を行っていると言われているがその詳細はまだまだ解明されていない。本研究により、腸から脳へどのような情報伝達が行われているのか栄養素によって異なるメカニズムがあることの一端を解明する事ができた。栄養素は摂取したものの嗜好性にも関与していることが知られている。この機構について解明するため、今後は栄養素の情報が摂取した味嗅覚情報をどのように変化させるのか焦点を当てていきたい。
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