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記憶を維持する生物学的相分離によるシグナルタンパク質の濃縮機構

研究課題

研究課題/領域番号 20K21463
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分46:神経科学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

実吉 岳郎  京都大学, 医学研究科, 准教授 (00556201)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
キーワード生物学的相分離 / CaMKII / アクチン細胞骨格 / リン酸化酵素 / シナプス可塑性 / タンパク質間相互作用 / カルシウム / 相分離
研究開始時の研究の概要

記憶は、脳内の神経回路網にシナプス連絡をとおして情報を保持する。申請者は、記憶を維持する一つのメカニズムとして、酵素と基質で構成されるシグナル複合体が一過的な刺激を長期持続性情報に変換することを報告した。しかし、シグナル複合体自身が長期間維持されるためにはタンパク質の代謝を乗り越える仕組みがあると思われる。物質を区画化する相分離という現象では、物質は区画内外を移動出来る。相分離したタンパク質は分子の新陳代謝を乗り越えシグナル複合体を長期間保持する有力な候補だと考えられる。そこでシナプスでの情報保持機構の新しいモデルとして、相分離により分子活性化状態が維持されるという仮説を検証していく。

研究成果の概要

CaMKIIとRhoファミリーシグナル分子は生物学的相分離を起こす 試験管内での再構築実験に成功したものは、CaMKII、Pak1, LIMK1、Tiam1、betaPIX、GIT1である。これらのタンパク質はCaMKII活性化、リン酸化を引き金とし相分離することを見出した。また、海馬神経細胞にLTP誘導時におけるCaMKIIとLIMK1、Pak1との相互作用をFRET観察すると刺激に応じたシナプスでの相互作用の上昇が観察された。今後、シナプスでの相互作用が液ー液相分離した液滴であるか、検証していく予定である。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、記憶の長期保持をCaMKIIの相分離の観点からアプローチしたものである。CaMKIIの変異がヒトの知的能力障害や自閉症の家系に見つかり、記憶障害などの病理にも関わることがわかってきた。Rhoファミリーシグナル分子も発達障害などとの関連が見つかっており、これらの情報伝達経路が一つにつながる可能性が出てきた。つまり、CaMKIIが引き起こす相分離による長期記憶形成および維持の理解は、基礎生物学のみならず臨床医学や創薬の観点からも非常に重要である。

報告書

(3件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Reciprocal activation within a kinase effector complex: A mechanism for the persistence of molecular memory2021

    • 著者名/発表者名
      Saneyoshi Takeo
    • 雑誌名

      Brain Research Bulletin

      巻: 170 ページ: 58-64

    • DOI

      10.1016/j.brainresbull.2021.01.018

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書 2020 実施状況報告書
    • 査読あり

URL: 

公開日: 2020-08-03   更新日: 2023-01-30  

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