研究課題/領域番号 |
20K21471
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
富田 泰輔 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (30292957)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 自閉症 / バルプロ酸 / セクレトーム / シナプス / プロテオミクス / 神経細胞 / 接着分子 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症(ASD; Autism Spectrum Disorder)とは社会コミュニケーションの障害、行動・興味・活動の限定された反復様式によって診断される発達障害の一つであるが、その発症メカニズムの勝敗は不明である。そこで本研究においては、妊娠マウスへのバルプロ酸投与モデルを用い、ASD病態発症関連分子の網羅的同定とその機能解析を主眼として研究を遂行する。
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研究成果の概要 |
自閉症(ASD; Autism Spectrum Disorder)とは発達障害の一つである。本研究においては、げっ歯類ASDモデルとして頻用されているバルプロ酸投与妊娠マウスの出生仔におけるASD様の行動異常を惹起するメカニズムを解析した。その結果、神経細胞シナプス接着分子の一つであるLingo2の代謝産物分泌型Lingo2(sLingo2)が興奮性シナプス過剰形成を起こしていることを明らかとした。今後、sLingo2が興奮性シナプス形成誘導をもたらす詳細なメカニズムを明らかにすることで、新たなASD発症機構の理解につながることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究でASDモデルマウスの病態と関連して見出されたsLingo2はヒトiPSC細胞由来神経細胞でもシナプス異常を惹起する。また、興味深いことに、Lingo2遺伝子を含む領域のコピー数変異がASD患者において見出されており、ASD患者の死後脳患者単一核RNAシークエンスデータを用いたモジュール解析においてもASDターゲット遺伝子としてLingo2が同定されている。すなわち、Lingo2はASDの発症に深く関わっていることが想定され、今後Lingo2を利用した新たなASD治療・予防薬や診断法の開発につながることが期待される。
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