研究課題/領域番号 |
20K21491
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
加藤 大 昭和大学, 薬学部, 教授 (30332943)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | cfDNA / バイオマーカ / 尿 / ナノ粒子 / 生体液 / 難治疾患 / 早期診断 / バイオマーカー / 粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
優れた診断法と治療法の開発によって、日本人の平均寿命は男女とも80歳を超えるようになったが、未だに癌やアルツハイマー病のように完治しない疾患が数多く残されている。有効な治療法のない疾患の中には、疾患の発見が早まれば既存の治療法で完治するものもある。つまり疾患をより早期に発見する手法は、現在、有効な治療法が存在しない難治疾患に対して、完治や発症を抑えることにつながり、新たに疾患で苦しむ人を増やさない、極めて有効な対策といえる。そこで本研究は、体液(尿及び循環血液)中に存在するがん由来のcfDNAを効率的に回収する粒子を開発し、がんの超早期診断に応用する。
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研究実績の概要 |
様々な疾患に関連する多数のバイオマーカーが既に発見され、がん、呼吸器や神経系などの疾患に精密医療を提供するために、バイオマーカーの測定が医療現場で行われている。大きながん組織に成長する前の1000個程度のがん細胞が放出した微量なバイオマーカーを検出し、がんの場所、進行度、有効な医薬品を判定することができれば、これまで以上にバイオマーカーを活用した診断の利用が広まると期待される。また、生体の深部に存在する病変の状態をバイオマーカーで評価することができれば、個々の患者さんに適した薬物療法の提案につながると期待されている。 バイオマーカーの中でもcfDNAは、高感度なリアルタイムPCR法や優れた配列解析法である次世代シーケンサー(NGS)等の利用により、今では、検体中に10コピー程度のcfDNAが存在すれば、標的cfDNAの検出や配列解析が可能になっている。検体中に極わずかなcfDNAが存在すれば診断できるため、検体中の標的核酸の絶対量や存在確率を増やし、それらを確実に精製し、検出することで、早期診断が実現すると考えた。 これまでに、生体内に存在する微量なcfDNAの検出を目指し、尿中cfDNAの簡易精製法の開発を試み、尿に存在するcfDNAを汎用のPCRとゲル電気泳動によって検出した。今年度は、より微量のcfDNAを簡便に短時間に検出するために、高感度なRT-PCRを利用し、DNAの検出を試み、現時点で数100コピー程度のcfDNAの検出に成功した。また、尿中のバイオマーカの測定として、TDM対象薬物のバンコマイシンの測定法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の感染防止を目的に制限した環境で研究を行ったため
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今後の研究の推進方策 |
期限内に行えなかった計画した研究として、機能性物質内包ナノ粒子を細胞に投与して、その反応を調べる検討を行う。
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