研究課題/領域番号 |
20K21495
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究 |
研究代表者 |
加藤 晃一 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 教授 (20211849)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 糖鎖 / 糖転移酵素 / ゴルジ体 / 分泌経路 / 糖鎖修飾 / 糖タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、バイオ医薬において重要な糖鎖修飾に着目してそれを規定する暗号(糖鎖修飾コード)が作動する仕組みを解明し、糖鎖修飾コードを利用した糖タンパク質の分泌経路と糖鎖修飾の制御法を確立する。このことを利用すれば、糖鎖修飾コードを組み込むことによって組換え糖タンパク質に特定の糖鎖修飾をプログラムすることが可能となることが期待される。
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研究成果の概要 |
血液凝固因子由来のパスポート配列が糖鎖修飾コードとして機能する仕組みの解明に取り組んだ。パスポート配列を付与した糖タンパク質が分泌経路において特異的なルートを辿ることを見出すとともに、そのルート上においてパスポート配列を認識する新たなタンパク質を同定した。さらに本タンパク質が、ガラクトース転移酵素と複合体を形成し、パスポート配列を携えたカーゴ糖タンパク質のガラクトシル化を亢進することを示した。一方、糖転移酵素がトランスゴルジ中で異なる局在を示すデータも得ている。本研究は、これまであたかも無秩序に進行するようにみなされていたタンパク質の糖鎖修飾を規定する分子機構の一端を明らかにするものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、糖タンパク質の細胞内輸送ルートを制御することを通じて糖鎖修飾をコントロールする新たな研究の方向性を示すものである。実際、本研究に端を発して、糖転移酵素のゴルジ体内での局在を体系的に調査するプロジェクトが発動している。こうした研究を展開することで、これまでのゲノム研究では見出すことができなかった糖鎖修飾のブループリントを解読することが現実のものとなり、それに基づいてタンパク質の糖鎖修飾を自在に制御する道が拓けるものと期待される。このように本研究の成果は、基礎生命科学のみならずバイオ医薬・細胞医薬の次世代化を推進することで薬学領域に大きな波及効果をもたらす基盤を構成するものである。
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