研究課題/領域番号 |
20K21508
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
宮田 麻理子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70281631)
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研究分担者 |
金谷 萌子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00759805)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 痛覚 / 炎症性疼痛 / 性差 / ミクログリア / T細胞 / 性ステロイドホルモン / 性転換 |
研究開始時の研究の概要 |
「女脳」「男脳」と言われるように脳機能には様々な性差があるが、この性差を生み出すメカニズムは明らかになっていない。本研究は脳機能の性差が、遺伝的な「性(sex)」によって規定されるのか、または発達期性ステロイドによる「性分化」によるのかを、分子・神経回路レベルで明らかにすることを目的とする。目的達成のため、最近明らかになった痛覚や情動の性差はメスとオスで異なる分子や神経回路基盤を指標にトランスジェンダーマウスを用いることで、脳機能の性差形成メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
脳機能性差の一つとして痛みの性差(メスの方が侵害受容に敏感である)があげられる。本研究では、性転換したマウスを用いて発達期の性ステロイドの影響を調べたところ、新生期の性ステロイドはオス型の炎症性疼痛反応を誘導する可能性が示唆された。また、慢性疼痛の制御にはミクログリアやT細胞が関与し、それらの役割に性差があることが報告されていた。しかし、本研究で使用した炎症性疼痛モデルの性差にはT細胞は関与せず、ミクログリアの制御メカニズムは雌雄で異なる可能性が示された。新生期の性ステロイドが免疫細胞へ与える影響についてさらなる研究が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
痛みを減弱・緩和することは、QOLの向上に重要である。痛みの受容にはヒトを含めた動物で、オスよりメスの方が痛みを感じやすく、メスの方が痛みが慢性化しやすいという性差がある。そのため、痛みの性差医療という点で考えると、性別を考慮した鎮痛や除痛に繋がる疼痛の性差メカニズムの解明が必要である。今回、発達期の性ステロイドが痛みの性差の形成に及ぼす影響を調べたことで、その一端が明らかとなった。
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