研究課題
挑戦的研究(萌芽)
関節リウマチでは、関節部位のみならず関節外の部位においても骨吸収の亢進がみとめられる。骨折のリスクの向上やQOLの低下につながるため、そのメカニズムの理解と治療法の開発は喫緊の課題である。しかしながらその機構は未だ不明な点が多く、完全な治療法は存在しない。既存製剤が抱える免疫抑制による副作用や無効例の存在、関節外の部位の骨量低下を制御できないという問題を克服する画期的な治療法の開発が喫緊である。本研究では申請者の独自の知見に基づき、新規悪玉細胞サブセットを同定し関節リウマチの骨破壊の病態解明と革新的な骨破壊抑制法の開発を目指す。
関節リウマチでは関節破壊だけでなく、炎症関節の近傍や全身性に骨粗鬆症がおきるが、そのメカニズムは不明な点が多い。本研究では関節リウマチのマウスモデルを利用し、炎症関節近傍の骨の骨髄に存在する形質細胞が増加し破骨細胞誘導因子RANKLを発現して傍関節性骨粗鬆症をひきおこすこと、炎症関節では滑膜線維芽細胞が主要なRANKL発現細胞として関節破壊を引き起こすことを明らかにした。本研究により関節リウマチの骨破壊の機序の解明と治療法の開発に繋がる知見を得られた。
関節リウマチでは関節破壊以外にも関節近傍や全身性に骨粗鬆症が起きる。骨粗鬆症は関節リウマチ患者の骨折リスクを上げ、生活の質を下げるが、これまでの治療法では関節破壊の進行を抑制できても骨粗鬆症は十分に抑制できないという問題があった。本研究においてマウスモデルを使用して明らかとなった傍関節性骨粗鬆症や関節破壊のメカニズムは関節リウマチの骨破壊の治療法の開発に貢献すると考えられる。
すべて 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (4件)
J Clin Invest.
巻: 131 号: 6 ページ: 1-8
10.1172/jci143060
Nat Metab
巻: 2 号: 12 ページ: 1382-1390
10.1038/s42255-020-00318-y
Cell Rep
巻: 32 号: 10 ページ: 1-10
10.1016/j.celrep.2020.108124
EBioMedicine
巻: 58 ページ: 102913-102913
10.1016/j.ebiom.2020.102913