研究課題
挑戦的研究(萌芽)
生体内においてあらゆる細胞は、周囲の環境から圧力、張力、浸透圧や温度などの物理的刺激を受けている。最近我々は、物理刺激のひとつである乱流がiPS細胞由来巨核球から血小板産生を促進すること、乱流刺激によりナルディライジン(NRDC)という酵素タンパク質の分泌が増えることを明らかにした。本研究では、乱流によって誘導される「NRDC分泌」と「血小板産生」という2つの事象の因果関係、NRDCの酵素活性の血小板産生における役割を明らかにする。
圧力、ずり応力、温度などの物理的刺激は、生体内で時間空間的に変化し、様々な恒常性維持に関わっていることが推測される。我々は乱流刺激によりiPS細胞由来巨核球(imMKCL)からナルディライジン(NRDC)分泌が誘導され、NRDCがペプチダーゼ活性依存性に血小板産生を誘導することを明らかにした(Cell 2018)。本研究は、乱流によって誘導される「NRDC分泌」と「血小板産生」の因果関係、ペプチダーゼ活性が寄与する機序を明らかにするため、NRDC欠損imMKCL、巨核球特異的NRDC欠損マウス、ペプチダーゼ不活性型Nrdcノックインマウスの作製を試み、血小板産生などを検討した。
体内の細胞は、常に温度や圧力などの物理的刺激を受けています。これらの刺激を感知する受容体の発見に対して、2021年にノーベル医学生理学賞が授与されましたが、物理的刺激の生理病理学的役割はまだよくわかっていません。私たちは、物理的刺激のひとつである乱流が、NRDCというタンパク質の分泌を増やし、その結果血小板の産生が増えることを見出しました。本研究は、そのくわしいしくみを明らかにし、ひいては血小板減少症の治療につなげることを目的にして行いました。
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