研究課題/領域番号 |
20K21532
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
嘉糠 洋陸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50342770)
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研究分担者 |
高柳 咲乃 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10794266)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 越冬 / 蚊 / 越冬卵 / ヤブカ / ヒトスジシマカ / 卵 / 温帯 / 熱帯 / デングウイルス / 感染症 / 病原体 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトスジシマカの越冬卵形成能力は、日本など温暖な地域に生息する温帯系統だけが獲得した形質であり、一方で、東南アジアに生息している熱帯系統は越冬卵を作ることが出来ない。そこで本研究では、遺伝的背景が異なるこれら2系統を比較し、ヒトスジシマカの越冬戦略の背景にある遺伝的メカニズムの解明を目指す。同時に、奄美・トカラ列島におけるヒトスジシマカ個体群の越冬卵形成能を調査し、研究室で得られた成果が自然界で実際に起こった進化プロセスに適合するか検証する。これらの成果により、越冬卵形成に関与する分子を標的にした越冬阻害剤の開発など、ヒトスジシマカの越冬阻止による駆除・分布拡大防止に資する知見を蓄積する。
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研究成果の概要 |
ヒトスジシマカの越冬卵形成能力は、温暖な地域に生息する温帯系統だけが獲得した形質であり、東南アジア等に生息している熱帯系統は越冬卵を作ることが出来ない。本研究課題において、遺伝的背景が異なる温帯系統と熱帯系統を比較し、ヒトスジシマカの越冬戦略の背景にある分子メカニズムをRNAseqおよびゲノム編集により解析したところ、概日リズム制御遺伝子、乾燥関連遺伝子、神経ペプチド遺伝子等の関与が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
越冬戦略は、生物のニッチ獲得に非常に重要である。哺乳類の冬眠も含めて、生物の越冬についての研究は途上である。研究代表者らの研究を通して、ヒトスジシマカの越冬戦略を遺伝子レベルで解明することは、生物一般の越冬メカニズムを理解するための突破口となることが期待される。加えて、越冬卵形成に関与する分子を標的にした越冬阻害剤の開発等、従来とは異なる病原体媒介蚊制御のための基盤となる可能性がある。
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