研究課題/領域番号 |
20K21538
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒川 峰夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80312320)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / クローン性造血 / 骨髄異形成症候群 / 前白血病状態 / マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
急性骨髄性白血病は造血幹細胞、造血前駆細胞における特定の遺伝子の異常により発症することがわかってきましたが、遺伝子に異常を来して白血病になりかかっている細胞がどのように遺伝子の異常に細胞自身を適応させて最終的に白血病となるのかという点については明らかになっていません。本研究では、急性骨髄性白血病のマウスモデルと単一細胞レベルでの細胞動態を観察可能な新たな手法を用いて、急性骨髄性白血病の初期における発症機構を詳細に検討し、新たな治療方法を探索することを目的としています。
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研究成果の概要 |
臨床的に前白血病状態および白血病に反復的に出現するDNMT3A, ASXL1, RUNX1の変異に対応する遺伝子改変マウスがそれぞれ前白血病状態を生じることを明らかにした。これらのマウスの造血細胞にもう一つの変異がん遺伝子を強制発現すると白血病を発症することがわかったが、本研究においてはウイルスによる遺伝子導入によるノイズを避けるため、Dnmt3a変異 x Kras変異での白血病発症を新たに試みた。今後、細胞起源を区別できる核酸バーコードと単一細胞解析を組み合わせて白血病発症までの複数の時点で経時的に解析することで、最終的に白血病発症に至った細胞の特徴を明らかにする。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性骨髄性白血病の発症過程においては、複数の遺伝子変異が造血幹細胞や造血前駆細胞に蓄積し、前白血病状態を経てから急性骨髄白血病になることが知られている。しかしながら前白血病状態と白血病状態を区別する機構は未だ明らかでは無く、従って前白血病状態から白血病発症に至る鍵となる機構についても同定されていない。本研究では前白血病状態から白血病への進展を再現するモデルマウスを用いて、前白血病状態から白血病に至るプロセスを同定する。本研究の継続により白血病初期段階の機構を解明し、白血病予防治療を含む先進的な治療の確立することが可能である。
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