研究課題/領域番号 |
20K21540
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
椨 康一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 講師 (10466469)
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研究分担者 |
田賀 哲也 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40192629)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | がん幹細胞 / 合成ポリマー / 人工微小環境 / 微小環境適合性 / オミクス / フェノミクス / polymerome / 層別化 / ポリマー嗜好性 / ポリメローム / 膠芽腫 / テモゾロミド / PCA / t-SNE / ポリマーmicroarray |
研究開始時の研究の概要 |
患者個人に最適な治療法の提供をめざす精密医療において、治療感受性や再発リスクを予測する層別化技術の開発は極めて重要な意義をもつ。その一方でそれら特性を担う細胞、すなわちがん幹細胞の個性を分類するための手法は未だ確立されていない。本研究は英国材料化学分野との共同研究を通じて確立された網羅的な人工微小環境探索系「ポリマーmicroarray」の手法を用いて、新規の表現型オミクス(フェノミクス)階層の創出に挑む。これにより従来の階層ではカバーされてこなかった「生きた細胞の微小環境適合性」という極めてユニークかつ重要な表現型に基づき、がん幹細胞のサブタイプ分類とそれに応じた層別治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
がん患者の治療抵抗性や再発リスク(すなわちがん幹細胞性)を予測する新規診断法開発を目指して、多種合成ポリマー(人工微小環境)に対する遺伝子変異と起源の異なる細胞株の接着パターンを比較したところ、各細胞株が様々なポリマー嗜好性を呈することが明らかとなった。このような生きた細胞の網羅的な微小環境適合性を新規のオミクス階層polymerome(ポリメローム)と命名した。この新規オミクス概念を用いて、がん患者の抗がん剤感受性を判断できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治療抵抗性や再発リスクは層別化最大の目的でありながらも、それら特性を担う細胞(すなわちがん幹細胞)の層別法は未だ確立されていない。本研究で導出された新規のオミクス概念polymeromeは、網羅性を有する初めてのフェノミクス階層として従来のオミクス体系に変革をもたらすものであり、学術的に高い波及効果を有する。また、本研究で同定されたがん幹細胞診断ポリマーは、核酸・抗体に続く次世代の高分子シーズとして産業界に与えるインパクトも高く、将来的にがん研究・医療の方向性を大きく転換させる高い潜在性を有している。
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