研究課題/領域番号 |
20K21542
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日野原 邦彦 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (50549467)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 養子免疫療法 / 薬剤耐性 / 発現型バーコード / 1細胞RNAシーケンス / 空間トランスクリプトーム解析 / バーコード / がん免疫 / 1細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫系は自己・非自己を識別し、微生物などの非自己を排除するだけでなく、生体の恒常性を保つ上で極めて重要な役割を担っている。近年がん免疫療法が実用化されたことは記憶に新しいが、がんの組織は遺伝的・形質的に異なる多様ながん細胞により構成されているため、治療に対して抵抗性を示すクローンが生き残ってしまうことが課題となっている。このようながんの薬剤耐性化機序は、ダーウィン進化論的に突然変異と自然淘汰を経た適者生存として捉えることができる。本研究では、1細胞をバーコードによりラベルしてその進化軌跡を追跡する技術を応用し、個々のがん細胞が細胞傷害性T細胞からどのように逃れて増殖するに至るかを解明する。
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研究成果の概要 |
近年、患者組織中のがん細胞は非常に多様性に富むことがわかってきており、この多様性こそが薬剤耐性発生の根幹であると考えられている。本研究では、養子免疫療法に対する耐性化機構の解析を進め、先天的にがん組織中にレアな頻度で存在する耐性細胞と、元々は薬剤感受性であったがん細胞も後天的に耐性を獲得し得るという二つの異なるメカニズムによって治療抵抗性がもたらされることを明らかにした。さらに、個々のがん細胞をバーコード化して1個の細胞レベルで追跡可能な実験系を構築した。今後、薬剤耐性の獲得過程におけるバーコードの種類や数の変化を解析することで、免疫治療に対する薬剤耐性化メカニズムの新たな理解を試みたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治療抵抗性の獲得メカニズムに異なるパターンが存在するということは、それぞれのメカニズムに対して異なる治療アプローチが必要であることを意味している。例えば養子免疫療法に加えて、先天的耐性細胞を狙い撃ちする薬剤と後天的耐性獲得を抑制する薬剤の3者をコンビネーションで投与する治療法などが効果的であることを示している。今後これらの耐性細胞の特徴を明らかにし、効果的な治療薬の開発へと結びつけたい。
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