研究課題/領域番号 |
20K21544
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菅田 浩司 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (60508597)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | ショウジョウバエ / がん悪性化 / 遺伝学 / 腫瘍悪性化 / 複眼原基 / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
さまざまなヒトのがん組織が、がん幹細胞やがん細胞の脱分化で生じる細胞を含み、それらは多様ながん細胞を生み出すことがわかってきた。しかし、がん幹細胞や脱分化した細胞が生み出される分子機構、さらにこれらが多様な細胞集団を生み出しがんが悪性化する分子機構の詳細はいまだに明らかでない。本研究では、優れたモデル生物であるショウジョウバエの強力な遺伝学と生化学的な解析を融合した研究を展開することで、がん幹細胞様細胞の成因や、がん幹細胞様細胞が多様な細胞集団を生み出す分子機構、さらに生み出された細胞が駆動するがん悪性化機構を生体レベルで明らかにすることを目指す。
|
研究成果の概要 |
ショウジョウバエの複眼原基にapico-basal極性を制御する遺伝子である scribble (scrib) の null 変異を有する細胞クローンを誘導すると細胞競合によって排除される。しかし、scrib 変異細胞内でがん遺伝子 Ras の活性化 (RasV12) を誘導すると細胞(Ras/scrib細胞)は排除に抵抗性を示すようになり、逆に過剰な増殖を伴って浸潤・転移する悪性腫瘍を形成する。腫瘍内では非対称分裂のマーカー及び神経前駆細胞のマーカーを発現する細胞が出現することを見出した。また、これらの細胞はJNKシグナルに依存的に腫瘍悪性化を制御している可能性を示唆する結果を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝学的に誘導した 「均一な」変異細胞クローン中に、時間経過とともに他とは性質が異なるがん幹細胞様細胞が一定の割合で出現する現象はこれまでにほとんど報告されていない。また、申請者らはショウジョウバエの強力な遺伝学を応用することで制御機構を in vivo で解析することに成功している。以上の点から、本研究から得られる成果が関連研究分野及び社会にもたらす波及効果は極めて高い。
|