研究課題/領域番号 |
20K21562
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
春野 雅彦 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 室長 (40395124)
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研究分担者 |
田村 弘 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (80304038)
渡邉 慶 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (00772740)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 支配関係 / 協力 / 競合 / fMRI / 霊長類 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは複雑な構造を持つ社会で生きており、日々他者との力関係を考慮しつつ協力・競合のバランスを取る必要に迫られる。この序列関係の下での行動選択を誤れば組織や家庭の中で平和に生きることは困難である。しかし、序列関係のある者どうしが協力・競合を選択する脳内プロセスは未知である。本研究ではヒトと、ヒトと同様に強固な序列関係を持ち高度な意思決定が可能なマカクザルを被験者として、支配関係のある複数被験者の協力・競合の脳内選択過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究ではヒトと、ヒト同様に強固な序列関係を持ち高度な意思決定が可能なマカクザルを被験者として、支配関係のある複数被験者の協力・競合の脳内選択過程の解明とそのための実験システム開発を実施している。当該年度においては、昨年度までに完成した透明なタッチパネルを通して相手の表情が見える状況で社会的意思決定課題を行うシステムを用いて、 自己の報酬とエアパフの量がともに大きいオプション、あるいは、ともに小さいオプションを選択するセルフ条件、自己の報酬と相手のエアパフの量がともに大きいオプション、あるいは、ともに小さいオプションを選択するソーシャル条件の両者でオプション選択を3頭のマカクザルに訓練することで、次のステップである本格実験の準備を行った。この過程で視覚刺激、報酬刺激、エアパフ刺激の最適なプロトコルを確立した。その結果、ソーシャル条件における行動は相手との相対的地位に依存して異なることを確認した。扁桃体や線条体の活動とシャーシャル条件における行動の因果関係を探るため超音波刺激実験システムのセットアップを行い、パイロット刺激実験によりシステムの動作を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までに、ヒトと非ヒト霊長類の両方において、自己の報酬と電気刺激(非ヒト霊長類ではエアパフ)の量がともに大きいオプション、あるいは、ともに小さい オプションを選択するセルフ条件、自己の報酬と相手の電気刺激の量がともに大きいオプション、あるいは、ともに小さいオプションを選択するソーシャル条件 を含む課題を設計し、実験システムを作成、パイロット実験を実施した。ヒトと非ヒト霊長類のデータを統一的に解析する価値関数を含むDrift Diffusion Modelを構築、霊長類の向社会行動における共通点とヒトに特有の点を明らかにする準備がほぼ整った。しかしながら、現状ではマカクザルの行動のばらつきにより一部の実験システムの検証にやや遅れが生じている。今後は非検体の訓練を徹底し、システム開発の最終局面の加速を図る。
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今後の研究の推進方策 |
現状ではマカクザルの行動のばらつきにより実験システムの検証にやや遅れが生じている。今後は非検体の訓練を徹底し、システム開発の最終局面を早期に完了する。すでに構築しているヒトと非ヒト霊長類のデータを統一的に解析する価値関数を含むDrift Diffusion Modelを使用し、ヒトと霊長類の向社会行動における共通点とヒトに特有の点を明らかにすることでヒト向社会性を実現している神経機序を明らかにし、論文化を行う。
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